研究課題
医療の高度化に伴って、深在性真菌症が問題となっている。その中でも侵襲性アスペルギルス症は致死率 50% を越えるため、新しい治療法の開発が渇望されている。本研究ではアスペルギルス症の主要原因菌Aspergillus fumigatus のプロテインキナーゼの解析を通じて細胞周期と菌糸成長速度との関係を解明し、病原性との関連性 を検討することを目的とする。平成26年度では、AUK4キナーゼについての詳細な解析を進めた。前年度までに遺伝子破壊株及び遺伝子相補株の取得は終了している。A. fumigatusにおいて遺伝子破壊に成功したことから、必須遺伝子ではないことが示唆された。遺伝子破壊株のコロニーの生育速度は親株と比べて約75%に低下し、分生子形成効率は大幅に低下した。成熟した分生子頭は観察されたが、形成の頻度が極端に低下していたことが分生子形成効率の低下の原因であることが推測された。親株では血清添加によってバイオマスが増加するが、破壊株では生育が抑制され、血清応答シグナルに関わっている可能性が示唆された。今後、Aspergillus fumigatusの病原性との関連性を検討していく。
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J Infect Chemother
巻: epub ページ: PMID: 25828927
10.1016/j.jiac.2015.02.010
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