ラットモデルを用いてヒトT細胞白血病ウイルスによる成人T細胞白血病の新規治療法を検証した。Taxエピトープ提示型MHC-I単鎖三量体発現ワクシニアウイルスを用いて、エピトープ特異的CTLとの併用効果を検討したところ、CTL単独では細胞傷害を受けない感染細胞に対して、併用によりIFN-γ産生を伴った細胞傷害が起き、ワクシニアウイルス単独の場合と比較しても、併用による細胞障害の方が高いことが示された。この結果は、エピトープ提示型ワクシニアウイルスによるCTLの活性化が感染細胞の傷害を増強したことを示唆し、CTLからエスケープ可能な感染細胞の排除に役立つ知見になるものと考えられる。
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