研究概要 |
研究実施計画1)~8)に関して、 1)6種類のヒト・トリプシノーゲン遺伝子(PRSS1, PRSS2, PRSS3-v1, v2, v3, v4)のプロモーターをクローニングして、HEK293T細胞にトランスフェクトして解析を行った。IRFs(インターフェロン調節因子)の顕著な影響は見られなかった。2)ヒト・トリプシノーゲン遺伝子のReal-time PCRによるmRNAの定量法を確立した。 3)ヒト・トリプシノーゲンcDNAsを293T細胞に強制発現させ、酵素学的な解析を行った。PRSS1, PRSS3-v2はタンパク質としての発現を確認し、エンテロキナーゼによるトリプシン活性の上昇を確認できたが、PRSS2,PRSS3-v1,v3,v4はタンパク質レベルでの発現が確認できず、cDNAsの再調整が必要。4) マウスでIrf2ノックアウトにより顕著な発現上昇の見られたCa2+-結合タンパク質、FETUB, ANXA10等のヒトのホモローグをクローニングし、mRNAの定量法を確立した。 5)A型インフルエンザ・ウイルス(IAV)感染実験で、これまでに報告のあるRIG-I, IPS-1, TBK1, IRF3, IFITM3等のIAV感染抑制を確認する簡易な方法を確立した。この系で、IAV感染を抑制できる新たなISGs(インターフェロン誘導遺伝子)の検索、IRFs、トリプシノーゲン、Ca2+-結合タンパク質の影響を調べる予定。6)HIV感染モデルにて、HIV感染を顕著に抑制できる新たなISGsを同定した。 7)HTLV-1感染細胞株に、sh-RNAを使い恒常的にIRF2をノックダウンさせた細胞株を作成したが、細胞増殖に対する顕著な影響は見られなかった。誘導的なノックダウンができる細胞株を作成中。8)このIAV感染系で、IAV感染を抑制する放線菌産物等の検索を行う予定。
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