研究課題/領域番号 |
24590559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
水口 義昭 日本医科大学, 医学部, 助教 (70409217)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | HBV / microRNA |
研究概要 |
第一に、HBV VirusからMiRNAが発現しているかどうかの再確認を以下の方法で施行した。 1) 我々が同定した、23塩基のHBV由来の配列とその周辺の配列から予想されるPrecursor miRNAを発現し得る配列をコンピューター予測した。2) 次に、この予測配列を発現し得る発現ベクターを3種類構築した。3) さらに、これらのベクターをヒト膵臓組織由来の培養細胞へ遺伝子導入を行った。4) 遺伝子導入後の組織を回収し、mature miRNAの発現が行われているかどうかをPCR法を用いて確認した。確認したところ、3種類の内2種類ではPCR法によりバンドが出現しており、matureなmiRNAが発現している可能性が示唆された。PCR法は以下の方法を使用した。a) 回収した組織よりsmall RNAのみ回収できるキットを用いてtotal small RNAを回収した。b) その後、3'側へ既知の配列によるリンカーを結合させた。c) 次にsmall RNA+リンカーを逆転写させた。d) 目的のmiRNAの配列とリンカーの配列をprimerとしてPCRを施行した。 現在、sequence法を用いて、同定されたバンドがHBV由来のmiRNAの配列に相当するかどうかの確認実験を行っている。 この結果は、実験計画の最初の部分に相当している。現在、HBV由来の遺伝子は4種類のみ同定され、かつmiRNAがコードされているという報告はない。この実験結果が正しければ、ウイルス学的に重要な発見であるとともに、HBVによる肝炎、肝硬変、肝癌の進展に対しての新たなる、病態生理の解明、治療法の開発が可能となる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当研究施設で実験助手を採用し、臨床を行いながらでも、実験が進む体制が整えられた。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通りに、PCR法により同定したバンドが目的のHBV miRNAの配列であることをsequence法を用いて確認する。その配列が正しければ、肝細胞へ導入し、細胞内でどのような変化が生じるかを分子生物学的に検討する。可能であれば、マウス、もしくはラットへ発現ベクターを用いて遺伝子導入を行うことで、生体内、特に肝臓内での変化を検討する。最終的には肝癌の発癌が起きるかどうかを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
Sequenceingでの消耗品代、培養細胞関連消耗品代、PCR、real-time PCR, western blot, 免疫染色の各消耗品代。マウス代、ラット代。学会発表に伴う旅費などに使用する。
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