研究実績の概要 |
チクングニアウイルス(CHIKV)感染マーモセットの血液に対する生化学的試験および病理学的解析を行った結果,CHIKV接種3-7日後にAST, ALT, LDHの上昇が示され,肝機能障害が示唆されたため、さらに肝臓を中心に病理学的に検討した結果肝のシングルセルネクローシス,細胞浸潤が観察されたが、さらにウイルス感染との関連を検討した結果、kupper細胞に特異的抗原が観察された.また、チクングニア熱は、しばしば関節炎をおこすことから、関節胞や滑膜を中心に解析したが顕著な変化を認めなかった。そこで、臨床分離株から病原性の強い株を選択するために、C57BL/6マウスに臨床分離株を皮下接種した。しかし、マウスは症状を示さず、血液、脾臓等で十分なウイルス遺伝子が検出できなかった。そこで、易感染性の免疫不全マウス(IFNaR1欠損マウス)に同ウイルスの接種を試みたところ、致死的感染を起こし、関節を含む全身臓器でのウイルス増殖が観察された。また、チクングニア熱患者血清を用いて確立した抗体検査系がマーモセットにも適用できることを確認した。
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