研究課題/領域番号 |
24590571
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宗 孝紀 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60294964)
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研究分担者 |
石井 直人 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60291267)
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キーワード | 免疫学 / 炎症 / サイトカイン / T細胞 |
研究概要 |
申請者は、NF-kBなどの活性化に促進的な作用をもつとされる TNF receptor-associated factor (TRAF5) がCD4 陽性T細胞の機能制御において抗炎症的な作用をもつという意外な現象を発見した。そして、この抑制作用がIL-6シグナルに対する抑制作用に起因することが示唆された。本研究では、 1) in vitro におけるCD4 陽性T細胞の分化実験により、IL-6シグナル依存的に分化することが知られているTh17細胞に対するTRAF5の役割を解析するとともに、2) Th17細胞依存的に発症することが知られている実験的自己免疫脳脊髄炎 (EAE) モデルを用いて、TRAF5欠損により疾患病態がどう変化するかについて解析し、こららから新たなCD4 陽性T細胞の制御機構を解明することを目的とした。平成25年度において、TRAF5の IL-6シグナルに対する作用を解析した結果、TRAF5がIL-6受容体gp130の細胞内領域に恒常的に結合することを発見した。この結合により、IL-6依存的なSTAT3の活性化が抑制されることがわかった。STAT3は、Th17細胞の分化において重要な役割を果たすことが知られており、TRAF5がSTAT3のgp130へのリクルートを阻害することでその抑制作用が発現する機構の存在が明らかになった。またEAEでは、TRAF5欠損マウスにおいて脳組織への炎症性CD4陽性T細胞の浸潤が亢進することで病態が悪化することがわかった。これらの研究結果から、CD4 陽性T細胞に発現するTRAF5がgp130に結合することでTh17細胞の分化を抑制し、この結果、病原性Th17細胞によるエフェクター作用が制限されるという新たな機構が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究実施計画に掲げた目標はクリアできており、平成26年度もおおむね計画通りに研究を進展させることができると思う。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、TRAF5のシグナル制御機構について検討する。
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