研究課題/領域番号 |
24590575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
安達 貴弘 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (50222625)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | シグナル伝達 / 免疫応答 / 免疫記憶 / B細胞 |
研究概要 |
Cre/LoxPシステムを利用して条件的に蛍光タンパク質であるカルシウムセンサーYC3.60を発現するマウスを作製し、CD19遺伝子制御下でDNA組換え酵素Creを発現する遺伝子改変マウスと交配させ、B細胞特異的にYC3.60を発現するマウス(CD19-Cre/YC3.60マウス)について解析を行った。B細胞の分化段階によってYC3.60の発現レベルが異なり、分化段階に応じてある程度の細胞集団を同定できることが明らかとなった。また、生体イメージングによる脾臓や小腸でのカルシウムシグナリングを共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析し、生きたままのマウスの脾臓や小腸でのB細胞のカルシウムシグナリングの検出に成功した。 IgG1陽性B細胞、T細胞あるいは樹状細胞特異的cameleon発現マウスの作製……それぞれIgG1陽性B細胞特異的Cre発現マウス、樹状細胞特異的(CD11c)Cre発現マウス、T細胞特異的(CD4)Cre発現マウスとfloxed cameleonマウスと交配させ、それぞれの細胞特異的cameleon発現マウスを作製した。 IgE陽性B細胞標識マウスの作製……これまでに2次リンパ組織の胚中心でIgGへのクラススイッチが起こることが知られているが、一部は胚中心非依存的であることや、IgE陽性B細胞数が非常に少ないことから、IgEについてはよくわかっていない。そこでIgE産生細胞特異的に動態、および細胞内シグナリングを生理的条件下で解析するためにIgE産生細胞特異的にCreを発現するマウスとYC3.60マウスを交配し、IgE産生細胞特異的にYC3.60を発現するマウスを作出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの交配が予定通りに進まず、実験に用いるマウスの作製が遅れたため。なお交配が進まなかった理由については不明です。
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今後の研究の推進方策 |
記憶B細胞の維持について、記憶B細胞の局在についても不明な点が多いので、B細胞特異的YC3.60発現マウスを用いて、、リンパ節や脾臓などのリンパ組織以外にもB細胞の局在の詳細に解析し、まずB細胞局在の全体像を明らかにする。さらにはB細胞を長期間追跡し、経時的変化を明らかにする。 B細胞特異的YC3.60発現マウスについて、リンパ節、骨髄などこれまでに解析していないリンパ組織について、生体イメージングにより動態および細胞内シグナリングを調べる。これまで解析していた免疫組織も含め、2光子レーザー顕微鏡にて、生理条件下での記憶B細胞の動態および活性化についてさらに詳細に解析する。 記憶B細胞の活性化の環境…T細胞、樹状細胞などの細胞特異的cameleon発現マウス用いて、生体イメージングによりB細胞とT細胞あるいは樹状細胞との相互作用についてカルシウムシグナリングを指標として解析し、記憶B細胞の活性化環境を明らかにすることができる。 自己免疫疾患モデルマウスと交配したYC3.60マウスについて自己免疫疾患による炎症箇所における記憶B細胞の動態、さらには細胞内シグナリングを調べ、病態解明を行う。またアレルギーモデルマウスにおいて記憶B細胞の動態および活性化を解析し、病態とIgE産生をつかさどる記憶B細胞の関連を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
マウスの飼育費 60万円 マウスの購入費 20万円 試薬類 20万円 抗体 20万円
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