研究課題/領域番号 |
24590578
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
瀧 伸介 信州大学, 医学部, 教授 (50262027)
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キーワード | サイトカイン |
研究概要 |
昨年度に引き続き、好塩基球の示す増殖、生存、IL-4産生などに関するIL-3シグナルについて、特にIL-3受容体の共通β(βc)鎖の構造機能連関を追求している。昨年度に完成した実験システムを用いてさらに多くの変異βc鎖の機能を検討する為に、追加の変異体発現ベクター(βc鎖細胞質内の各種欠失変異体)を構築した。これら変異体を発現させる為にレトロウイルスベクターを用いて、培養好塩基球に遺伝子導入しているが、感染効率はある程度のレベルを達成しているものの、遺伝子導入された好塩基球の絶対数が不足し、多数の解析を同時に進めることが難しいという本研究開始時からの懸案は解決されておらず、ソーティング技術を向上させる必要がある。 一方で、好塩基球の増殖を負に制御することを明らかにしている転写因子IRF-2の機能についての検討は、当初の予想とは異なって、腸管の自然リンパ球の分化や機能への関与が明らかになりつつあり、次年度はそちらに研究の重点を移しつつ当初の課題についても追求を続ける。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要に記したように、遺伝子導入された培養好塩基球のソーティング時の回収効率を上昇させる必要があり、その為の技術的なimprovementに時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
上記技術的課題の克服を中心に据えて進めるものの、転写因子IRF-2の機能について、IRF-2欠損マウスおよび該欠損マウスとさまざまなサイトイン、もしくはその受容体(例えばIL-7、IL-15、I型IFNなど)を欠損するマウスとを交配して得られる二重欠損マウスの腸管の自然リンパ球の分化や機能への関与をも追求を続ける。またROR-gt遺伝子座に緑色蛍光タンパクcDNAをノックインしたマウスを用いて、特に3型自然リンパ球の同定を確実なものにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画に比較して、実験システムの効率の改善に手間取り、研究費の使用が遅れている。 次年度は、さまざまな変異マウスを活用する予定であり、その導入、維持費用に前年度未使用額と平成26年度経費を合わせて使用する予定である。
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