研究課題
インテグリン活性化制御機構の乱れが様々な臓器や病態でどのように対応している可能性があるのかを俯瞰するために、自己免疫疾患でのインテグリンの役割 (Autoimmune Dis 2012)と免疫細胞と神経系での役割 (Pain Res Treat 2012) に関する総説論文を発表した。チャンネル蛋白であるコネクシン分子との相互作用 (Crit Care Res Pract 2012) について報告した。チャンネル蛋白とインタラクションをすることにより、このクロストークが慢性炎症の病態やガン転移や動脈硬化の進展に関与する可能性について報告した (Exp Cell Res. 2014)。インテグリンの活性化制御で得た知見をもとに、その病的な制御異常が炎症性サイトカインの過剰分泌と共に様々な臓器例えば皮膚を含めた全身性の炎症に関与する可能性についても共同研究者とともに明らかにした (PLOS One 2014)。インテグリンの活性化をうまく制御ができないために、リンパ球の移動や接着が最適化されない状況を生体内で作り出したマウスを用いて、炎症性腸炎のマウスモデルにおいて臓器での炎症反応がある特定の実験状況においてはむしろ減弱する一方、逆に別の特定の状況においては臓器障害が増悪する可能性について示唆するようなデーターを得た(未発表)。米国の共同研究者との産学連携研究によりインテグリンの活性化状態制御サイトを治療標的とした低分子阻害剤のハイスループットスクリーニングを用いた新規テクノロジにより同定可能であるというイノベーションのプラットフォームの妥当性について報告した(Bioorg Med Chem 2014)。これらの成果はインテグリンの活性化制御異常が免疫系の恒常性破壊をとおして、臓器障害に至る可能性を実験動物レベルで示したので、目標は達成されたと考えられる。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件)
Atherosclerosis
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