研究課題/領域番号 |
24590580
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱崎 洋子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10362477)
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キーワード | 胸腺 / 胸腺上皮細胞 / 自己寛容 / 胸腺上皮幹細胞 / 胸腺退縮 |
研究概要 |
胸腺はT細胞の産生と自己免疫寛容の成立に必須の中枢リンパ組織である。この組織骨格を形成しストロマとして働くのが胸腺上皮細胞であり、その発生分化機構は近年大きくその研究が進展したが、それが生涯にわたりどのように維持されるかについては不明な点が多い。申請者らは昨年度までに、発生初期の前駆細胞分画に1年半以上マウス個体内で維持される生涯髄質上皮のturnoverを維持する細胞が含まれることを示し、この細胞の移植により、自己免疫疾患を回避しうることを示している。また、マウス胸腺上皮の自己複製能を評価するためのコロニーアッセイ系を立ち上げ、髄質上皮幹細胞の活性をin vitroで評価することができた。本年度は、 4)に関連して:この幹細胞様の活性を持つ細胞の新たなマーカーを同定することが出来た。 2)に関連して:マウス胸腺上皮幹細胞の活性の指標となるコロニー形成能が、通常加齢に伴い低下するものの、T細胞産生の起こっていない遺伝子改変マウス(Rag2-/-)マウスでは明らかに保たれていることを見出した。その原因について現在検討中である。 4)に関連して:論文レビューの過程で、幹細胞が濃縮されるマーカー陰性の分画にもコロニー形成能があることの意義について指摘を受け、マーカー陽性、陰性、それぞれの分画におけるコロニー形成能を定量するとともに、陰性分画に含まれるコロニーはin vivoにおける維持の活性が低いことを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文を投稿し、リバイスを行っている。
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今後の研究の推進方策 |
胸腺髄質上皮幹細胞がどのような分子メカニズムで歳とともに活性が低下するのか明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
遺伝子欠損マウスの入手が遅れたため解析に取り掛かることができなかった。 次年度、マウスが入手でき次第実験を行う。
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