研究課題
昨年度までに、自己寛容を保証する胸腺髄質上皮幹細胞の存在を証明し、かつその活性が生後直後に急速に低下することが明らかとなり、それらの点について論文としてまとめることができた。本年度は、幹細胞の同定とその活性を評価することに大きな役割を果たしたin vitroの実験系(コロニーアッセイシステム)の感度を改良するとともに、本アッセイ系を用いて様々な自己免疫疾患モデルマウスのコロニー形成能について評価し、今後、幹細胞活性低下のメカニズムを解明するための重要な手掛かりを得ることを目的とした。その結果、いくつかの培養添加物について、添加するタイミングを変更することにより、コロニー形成能を劇的に上昇させることができた。これにより、これまで定量が困難であった成獣マウスのコロニー形成能についても定量的評価が可能となった。また、胸腺髄質に異常があり自己免疫疾患を起こす遺伝子改変マウスの胸腺を用いてコロニーアッセイを行った。全身性自己免疫疾患モデルマウスであるNZBW/F1マウスは、B6マウスと比較して明らかにコロニー形成能が低いことが明らかとなり、T細胞の分化選択に関わる胸腺上皮細胞の幹細胞レベルで何らかの異常を有する可能性が示唆された。
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