今後の研究の推進方策 |
腸管粘膜固有層の好酸球(CD11cintCD11bhi)において、各種サイトカイン受容体の発現やTLRの発現をqPCRによって検討する。また、IL-4, IL-5, IL-13, IL-33といったTh2サイトカインで刺激をして、炎症性メディエーターや組織傷害性分子の誘導をRT-PCR, ELISA, DNA microarrayによって網羅的に解析を行う。MHC class IIと共刺激分子の発現を検討し、抗原提示能があるかも解析を行う。またこの好酸球のin vivoでの役割も検討する。GATA-1は未熟な骨髄系の前駆細胞から赤芽球、巨核球、好酸球への分化に必須の転写因子である。GATA-1欠損マウスは重篤な貧血のために胎生致死であるが、GATA-1の発現を正にオートレギュレーションするエンハンサーのGATA結合領域(dblGATA)を欠損させたマウスΔdblGATAマウスでは、貧血の表現型はなく好酸球が特異的に消失している(Dyer KD, J Immunol 179:1693,2007)。我々は、ΔdblGATAマウスをジャクソンから購入しており、解析の結果、腸管粘膜固有層の樹状細胞が完全に消失していることを確認している。ΔdblGATAマウスを用いて、腸管寄生虫感染モデルや食物アレルギーモデルで解析を行い、腸管粘膜固有層における好酸球の感染防御及びアレルギー疾患におけるエフェクター機能を検討する。
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