研究課題
前年度までに組織マクロファージの一つである赤脾臓に存在するRed pulp macrophage の分化誘導を規定している転写因子Spicが、赤血球の代謝産物であるHemeによってその発現が制御されていることを明らかにしてきた。そこで最終年度において、Red pulp macrophageの生体内における機能の一つとしてマラリア感染における役割について検討した。Heme oxygenase-1 (HO-1)はHemeをbiliverdin、iron、そしてcarbon monoxideに分解する酵素であるが、このHO-1のノックアウトマウス (KO)ではRed pulp macrophageが欠損していた。しかしHO-1はマクロファージのみならず他の細胞でも発現しているため、KOマウスを用いた解析ではRed pulp macrophageのみのマライア感染に於ける役割の解析は難しい。さらに、KOマウスは胎性致死のため実験に必要な匹数のKOマウスを得ることが容易ではない。これらの問題を回避するために、申請者はCD11b-creマウスとHO-1 f/f マウスを掛け合わせ、ミエロイド系の細胞でのみHO-1を欠損しているHO1 f/f x CD11b-cre (cKO)マウスを作製した。このHO-1 cKOマウスでも、Red pulp macrophageの割合が減少していた。現在、マラリア感染におけるRed pulp macrophagの役割について、HO-1 cKOマウスを用いて検討している。
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