本研究ではT細胞抗原受容体が刺激強度を翻訳する仕組みに、T細胞受容体(TCR)活性化の最小単位であるTCRミクロクラスターの形状や動態からアプローチした。プロテオーム解析や蛍光イメージング実験から、活性化直後のアクチンを伴うTCRミクロクラスターは、接着分子の輪に囲まれ、小さな免疫シナプス様構造”ミクロシナプス”を形成する事を発見した。ミクロシナプスは (1)一時的に形成され (2)刺激が弱い時には延べ形成個数が増え (3)接着分子インテグリンやミオシンII活性を必要とし (4) SLP76などシグナル分子を留める作用があり、TCRミクロクラスターの機能発揮に重要な構造であった。
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