研究実績の概要 |
対象は2012年1月から12月までに局所前立腺癌と診断され前立腺全摘除術を施行された日本人(JM)126名、韓国人(KM)288名。1) QOL調査は治療開始後1,3,6,12ヶ月後にEPIC質問票を用いた。本研究で用いた調査票であるEPIC (Expanded Prostate Cancer Index Composite) は50項目の質問があり「排尿(Urinary)」、「排便(Bowel)」、「性(Sexual)」、「ホルモン(Hormonal)」の4つの下位尺度で構成され、各々の下位尺度は「機能(Function)」「負担感(Bother)」で構成されている。研究成果:平成24年2月にAsan Medical Centerとの共同研究グループを立ち上げた。治療前に評価可能だったのはJMが73名、KMが273名だった。術式では恥骨後式前立腺全摘除術の割合はKMが26%、JMが52%だった(p <0.001)。治療前のPDE-5Iの内服の割合はKMの方が高かった(2% vs. 12%, P=0.008)。パートナー有の割合ではKMの方が高かった。術前及び術後の排尿機能および排便機能に両群に有意差を認めなかった。術前の性機能はKMのほうが高値を示した。しかし性的能力に対する負担感(sexual bother)はJMのほうが軽度であった。術後の性機能は両群に有意差を認めなかった。しかしsexual botherはKMのほうが低値であった。 結論:質問票による評価では両国の術後の排尿及び排便機能は類似していた。性機能に対する負担感はJMのほうが軽い傾向を認めた。
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