研究課題/領域番号 |
24590595
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 拓洋 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50313101)
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研究分担者 |
岩瀬 哲 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (60372372)
後藤 悌 東京大学, 医学系研究科, 助教 (20596374)
山本 大悟 関西医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10340738)
小田桐 弘毅 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (60250601)
坪井 正博 横浜市立大学, 大学病院, 准教授 (90297309)
川口 崇 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (60548486)
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キーワード | 患者報告にもとづくアウトカム(PRO) / 医療の質 / がん / 有害事象評価 |
研究概要 |
PRO-CTCAE 日本語訳 東北大学/東京大学/JCOG版について、平成23年度から実施したがん患者へのインタビュー調査の最終報告書を作成し米国NCIに提出した。今後論文化の予定である。JCOG1018試験で使用する9項目(下痢、活力低下、手足症候群、吐き気、手足の痺れ等)についてのfeasibility study(登録期間2012年7月~2013年2月)の結果をまとめた。大腸癌と診断され、FOLFOX療法又はXELOX療法を新規又は治療継続中、PS0-2、日本語の質問票を理解・記入できる患者を対象とし、性別:男/女=12/8、年齢中央値:65歳(45-79歳)、使用レジメンは全てFOLFOX療法であった。測定時点毎での回答率は100%であり日本語版PRO-CTCAEは測定可能である事が確認された。患者と担当医の評価の差異は、患者による評価/スコアが担当医と比較して高い傾向にあり、既存の報告と同様の傾向であった。調査票に関して「わかりにくい点」・「選びにくい点」があると回答した割合は20%・25%であり、重症度を選択する表現の違いに対する回答が多かった。以上は日本臨床試験研究会雑誌 (vol.41 supplement) に報告した。平成24年度に計画した妥当性・信頼性研究については、米国NCI側より抜本的な研究計画の見直しを指摘され、代わりに小規模の研究を計画した。すなわち、PRO-CTCAEの計量心理学特性については米国にて既に検討がなされている為、本研究では欧米での先行研究結果と大きな差異がない事の確認を主要目的とした。PRO-CTCAEの反応性を検討するコホート(100人)と再現性を検討するコホート(80人)を設定し、評価時点も2時点に絞り、参加者の負担を少なくした。PRO-CTCAEに加え、ECOG PS、KPS、EORTC QLQ-C30等を測定予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度に慎重に計画した妥当性・信頼性研究計画に関して、米国NCIとの契約通りに計画を進めてきたにも関わらず、先方から計画の全面的な見直しの指摘を受け、本邦における同研究計画を一から計画し直したのが、当初の計画より遅れている最大の理由である。研究担当者や実施施設の見直し、調査スケジュール、測定項目の再検討など、思った以上に時間がかかった。また、JCOG1018試験のような他の研究者主導臨床試験における付随研究としてPRO-CTCAEのデータを測定する予定で計画書を作成していたが、データ測定のfeasibilityの観点から付随研究の実施は行わないことになり、この点でも時間にロスが生じた。予定していたタブレット端末を利用したデータの取得に関しても、ソフトウェアの開発等の進捗が悪かった。
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今後の研究の推進方策 |
小規模な妥当性・信頼性研究の実施とデータの収集、解析、結果の公表に早々に着手し、日本人のデータを蓄積する。施設選定が重要な要因であるが、既に連携体制を構築しており、研究はスムーズに流れると考えている。タブレット端末でのPRO-CTCAEデータの測定に関して、プラットフォームの構築を行う。昨年度の反省を踏まえ、事前調整を早めに行い、他の臨床試験にてデータの測定が可能となるような体制を構築する。
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