研究課題/領域番号 |
24590596
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
秋山 聖子 東北大学, 大学病院, 助教 (40569555)
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キーワード | がん薬物療法 / 地域医療連携 / 経口抗がん薬 |
研究概要 |
1. 昨年度構成した胃癌SP療法化学療法地域連携の臨床プロセスチャートを元に、共同研究者と会議を重ね、さらに実際の医療に即した形に修正した。 2. 当初の計画では、別レジメンの化学療法での臨床プロセスチャート作成を予定していたが、共同研究者との話し合いで方針の修正を行った。すなわち、今後の多種レジメンへの発展性を考慮し各々のレジメンへの展開を容易にする目的で、普遍的な上位の臨床プロセスチャートの作成を先行する方針とした。上記個別レジメン臨床プロセスチャートを元に、経口薬併用がん薬物療法地域連携臨床プロセスチャートの上位チャート(メタモデル)の開発を行った。この結果をPCAPS研究会の中間シンポジウムで報告した。 3. 作成したメタモデルから胃癌SP療法の臨床プロセスチャートを書き出し、その普遍性の確認を行い、他のレジメンへの発展性を確認した。 4. 作成した胃癌SP療法の臨床プロセスチャートを用いて、東北大学病院ならびに共同研究者の勤務する大崎市民病院でカルテレビューを行い、SP療法を行った患者の経過を検証した。その結果をPCAPS研究会の最終シンポジウムで発表した。 5. 本研究においてパスを作成するSP療法ならびにCapeOX療法の臨床試験データに基づき、レジメン特異的有害事象の抽出を行った。有害事象に対するアクションプランを作成する方法として、CTCAE(有害事象共通用語規準)を用いて全関係者(患者、専門医、かかりつけ医、保険薬局など)がグレード判定ならびに対応ができるようなアクションプランを含んだアルゴリズムを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胃癌SP療法臨床プロセスチャートはほぼ完成形に近づいた。カルテレビューに基づいた問題点を明らかにすることが出来た。改善を行い完成を目指すことが可能と考える。申請時の計画書ではわからなかった臨床プロセスチャートの普遍的高位モデル、すなわち、メタモデルを作成することにより、今後他のレジメンへの展開を容易にすることが分かった。実際に高位モデルから胃癌SP療法を書き出すことが比較的短時間で可能であり、今後の種々のレジメンへのPCAPS地域医療連携パスの展開が容易になった。一方地域連携ノートの作成は胃癌SP療法での作成に留まっており、他のレジメンに展開した場合に必要な各種有害事象のアクションプランなどの作成が今年度の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き東京大学、大崎市民病院の共同研究者と会議を重ね、臨床プロセスチャートの完成を目指す。また、各種レジメンに展開した場合の有害事象に関するアクションプランの整備を進める。全般的なPCAPS地域医療連携システム開発においては、これまでの開発の段階で、専門医が暗黙知として日常的に用いている化学療法の知識は、膨大な量に上ることが明らかとなったため、紙ベースの開発は困難を伴うことが明らかになった。今年度はPCAPS地域医療連携パスの電子化を視野に入れて開発を行うことを検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、当初計画していた紙ベースでの臨床プロセスチャートの完成を電子化することに計画を変更したことにより生じたものであり、次年度以降に使用するPCASP地域医療連携パスの電子化に必要な経費として平成26年度請求額と平成26年度請求額と合わせ、これまでの研究成果をもとに研究遂行に使用する予定である。 共同研究者との開発会議を行うための旅費並びに会議費として使用予定である。研究の成果を電子化システムとして開発する計画をしており、開発費としての利用を計画している。
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