研究課題/領域番号 |
24590597
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
濱田 洋実 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60261799)
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研究分担者 |
小畠 真奈 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20420086)
小倉 剛 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40451702)
安部 加奈子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80588955)
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キーワード | 地域産科医療 / 先天性心臓疾患 / 胎児健康状態 |
研究概要 |
地域医療ネットワークにおいて運用可能でかつ臨床的有用性の高い、生体磁気計測を導入した新しい先天性心臓疾患胎児の健康状態評価システムを構築することを目的に、研究を遂行した。 平成24年度から引き続いて、当科での分娩を希望して妊婦健診を受診中の妊娠女性に、本研究の目的・方法・意義・考えられる不利益などについて十分説明し、同意の得られた女性を対象として、生体磁気計測装置を用いて胎児生体磁気計測を行った。このうち、不整脈胎児と診断されている妊娠女性については、抗SS-A(Ro)抗体価を測定した。同時に分娩監視装置によるNon stress test および超音波診断装置を用いたbiophysical profile評価を行って、これらの比較検討・解析を行った。平成25年度内に出生した児については出生後その健康状態を総合的に評価したうえで、必要に応じて心臓超音波検査および心電解析を施行した。 その結果、地域医療として一次医療機関が先天性心臓疾患胎児を妊娠している可能性の高い女性の抽出を行う際に有効な指標としては、平成24年度の研究で示された結果が適切であることを多数例で再確認することができた。また、地域医療ネットワークに心磁計測を組み込むことは有用であることも確認された。 これらの成果をもとに、胎児心臓形態の超音波診断法をはじめとして、その基準の病医院間での統一化等を目指し て、茨城県つくば市および県西地区内病医院とともに検討を行った。 その結果、生体磁気計測を導入した新たな先天性心臓疾患胎児の健康状態評価システムの試案を構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画自体に問題はなく、「研究の目的」の達成度としてはおおむね順調に進展しているが、平成24年度にすでに明らかになっていたように、本研究のすべてのプロトコールを完遂できた症例数が予定よりも少ないことから、当初の計画以上とはいえない達成度と考えられる。また、生体磁気計測を導入した新たな先天性心臓疾患胎児の健康状態評価システムの試案の構築がやや遅れ、現時点でその運用を開始したばかりであることからも、当初の計画以上の進展とはいえないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
生体磁気計測を導入した新たな先天性心臓疾患胎児の健康状態評価システム試案の、茨城県つくば・県西ブロック内での運用を行い、研究の推進を図る計画である。その運用結果については、臨床的有用性はもちろんのこと、医療経済的効果についても分析して、研究を推進していく。 なお、研究計画の変更あるいは研究を遂行する上で問題となる大きな課題はないと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
生体磁気計測を導入した新たな先天性心臓疾患胎児の健康状態評価システムの試案の構築がやや遅れたことにより、当初の予定よりも年度内のこのシステム運用症例数が少なかったために、33,189円を次年度の使用予定とした。 前年度の症例数が予定より少なかった分、平成26年度は症例数を増加させる計画であり、この33,189円をそのために有効に使用する計画である。
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