研究課題/領域番号 |
24590599
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
篠崎 博光 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (30334139)
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研究分担者 |
渡辺 秀臣 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (40231724)
牧野 孝俊 群馬大学, 保健学研究科, 助教 (50389756)
李 範爽 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (50455953)
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キーワード | チーム医療教育 / 多職種連携教育 / IPE / チームワーク教育 / 態度尺度 |
研究概要 |
本研究の目的はライセンス取得前に行われる卒前のチーム医療教育(卒前IPE)の効果検証を行うものである。 在学中に向上したチーム医療教育に対する態度が、臨床を経験する中でどのように維持されるかを、本学のチーム医療教育を履修した2008-2010年度の第3年次在学生ならびに在学中に本学でのチーム医療教育をうけた2000年から2008年に卒業した本学の卒業生(新卒から卒後9年目にあたる)に対して修正版チーム医療に対する態度尺度を用いて検討を行い、全般的なチーム医療に対する態度尺度は、卒業生は在学生に比べて有意に低値であった。チームの効果、チームの医療の質、チームの効率の3つのサブスケールでの検討では、チームの効果、チーム医療の質では在学生・卒業生の間に有意差は認められなかったが、チームの効率では卒業生は在学生に対して有意に低値であることが示された。卒前のチーム医療教育のみでは充分でなく、卒後のチーム医療教育を切れ間なく行なう必要性が示唆された。 これまでの研究は横断研究で卒前IPEの効果検証を行ってきたが、より正確に変化を評価するため、平成25年度は本学1年次のIPE教育ならびに3年次のIPE教育の効果を縦断的研究方法で検証した。 具体的には2008年ならび2010年の行ったIPE教育まえならびにIPE教育後のデータの分析を行い、1年次IPE教育前後ならびに3年次IPE教育前後の4ポイントで修正版チーム医療に対する態度尺度を使用し評価を行った。 全般的なチーム医療に対する態度スコアーは3年次のIPE教育後は、1年次のIPE教育後ならびに3年次のIPE教育前のスコアーと較べ有意に改善していた。このことは学生対して、卒前IPE、特に実習スタイルの卒前IPE教育は全般的なチーム医療に対する態度スコアーを縦断研究で有意義に改善することを示し、卒前IPEの有益であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ライセンス取得前に行われる卒前のチーム医療教育の効果検証では、本学のチーム医療教育の効果を2008年ならびに2010年度に行った調査結果を用いて縦断研究を行った。しかし、ライセンス取得前に行われる卒前のチーム医療教育が就職場所に対して影響をあたえるかを検討に関しては開始されたが不十分である。
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今後の研究の推進方策 |
ライセンス取得前に行われる卒前のチーム医療教育が就職場所に対して影響をあたえるかを検討する。 本学のチームワーク医療教育では、臨地実習が2日間準備されているが、これは地域保健、病院医療、小児医療、在宅・高齢者ケア、リハビリテーション、精神障害医療の6分野から1分野を選択して行うシステムになっている。学生が臨地実習で選んだ分野と実際に就職した分野に関連があるかどうかを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度は人件費(データ入力、資料整理)を計上した。データ入力は研究補助の雇い入れを行ったが、大部分は研究者本人が入力作業を行なった。さらにデータ管理用のPCに関しては以前購入したPCを使用した。 次年度は未処理のデータが増えることが予想され、PCの購入ならびに研究補助者の雇い入れを行う。さらに研究成果の発表を計画しており学会参加費ならびに旅費の計上が見込まれる。
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