研究課題
チーム医療教育(多職種連携教育、IPE)の効果について、学部教育で行われる資格取得前IPEの学部学生に対する教育効果ならびに資格取得前IPEを受けた卒業生の教育効果が卒後どのように維持されるかを検討した。資格取得前IPEの学部学生に対する教育効果の検証:群馬大学のIPEは1年次には講義形式で行われ、3年次には実習形式で行っている。修正版チーム医療に対する態度尺度(修正版ATHCTS)を用いて多職種医療チームに対する態度変化について縦断的反復横断調査を行った。対象は群馬大学医学部保健学科(看護学専攻、検査技術科学専攻、理学療法学専攻、作業療法学専攻)の2008年度の一年生193名ならびに2010年度の3年生185名である。修正版ATHCTSの合計点は1年次の終了時、3年次の開始前のスコアーと比べ、3年次の終了後のスコアーは統計的有意に高値であり、多職種連携教育の効果が示唆された。資格取得前IPEよる教育効果の卒業後の推移に関する検討:2008年度から2010年度の学部学生と2000年度から2007年度の保健学科卒業生を対象に修正版ATHCTSによる質問紙調査を実施した。学部学生501名ならびに卒業生213名が参加した修正版ATHCTSの因子分析では"チームの効果"、"チームケアの質"、"チームの効率"を表す3つのサブスケールが構成された。卒業生全体の平均値は、学部生全体の平均値より有意に低値であり、さらに"チームの効果" における回帰係数スコアーは、学部生より卒業生の方が有意に低値であった。以上より資格取得前IPEにより獲得した医療チームに対する態度の低下が卒業後起こる可能性を示し、資格取得前IPEと卒後IPEの切れ目のない多職種連携教育の必要性を示唆した。
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看護教育
巻: 56 ページ: 130-134
Journal of Interprofessional Care
巻: 28 ページ: 285-291
10.3109/13561820.2014.891977