研究課題/領域番号 |
24590601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
軍神 正隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40463848)
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研究分担者 |
中島 勧 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40323597)
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40361498)
矢作 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60158045)
佐藤 元 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (70272424)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 医療安全 / 救急医療 / 電子カルテ / 臨床意思決定支援システム / 医療情報技術 |
研究概要 |
[研究の目的] 救急現場においては、1)救急現場で負担の軽減化、2)医療安全の観点から救急医療の質の向上、3)大規模災害、感染症、テロリズムなど社会でリアルタイムに社会で起きていることを適確に反映させるシステムが求められている。さらに今後、電子カルテの導入で情報のインフラ整備が期待されているが、救急の特殊性に留意しながらシステムを作る必要がある。初年度に当たっては次の研究を行った。a. 海外で行われている救急に特化した電子カルテシステム(EDIS)の導入、運用、効果に関する既存の学術論文の収集後、その効果報告に関する分析を行う。分析を基に、日本に導入するに当たっての課題を明らかにする。b. 救急医療現場で使われている電子カルテシステムの現状を調査・分析する。 [具体的内容、研究の重要性] a. に関して、諸外国で開発が進んでいる医療情報技術(以下HIT)、EDIS、臨床診断意思決定支援システム(CDSS)に関する論文と今まで日本で投稿されたHIT、CDSSに関する論文を作成し投稿し受理された。医療安全を目指した電子カルテシステム構築に関する論文は、現在投稿中である。b. に関して、救急専門医認定466施設における電子カルテの導入や使用状況をアンケート調査し、215施設から回答があった。救急外来専用に電子カルテを開発している施設は4施設しかなかった。アンケートでは、救急外来で使いやすい電子カルテを希望する施設は170施設に上った。また今回の研究のテーマである投薬量や薬剤の禁忌と言ったCDSSを希望する施設は、193施設であった。新しい電子カルテを導入するに当たって最も障害となることは、導入資金、メンテナンス費用であった。この研究により日本の救急医療に即したシステムを導入する事で、働いている医療スタッフのワークフローの改善ならびに患者の安全が向上することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H25年度においては、救急診療において緊急疾患の見逃しを減少させるアルゴリズムを構築する。
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今後の研究の推進方策 |
EDIS, CDSS開発に当たって以下の3つに関して多数の教科書から作成を行う。 ①救急外来を受診された患者の主訴からの鑑別疾患表の作成 ②救急外来において見逃してはならない疾患の表を作成 そして臨床現場において、データの集積を行い医療の安全性が向上したかの分析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
EDIS, CDSSの開発 プロによるプログラミングで書かれたものは、忙しい救急医が項目の変更を行いたいと思ったその場で変更することは容易ではなく、また費用も膨大にかかる。画像の取り込みや手書きツールが利用可能なFile makerをベースに開発し、複数施設での医療安全評価を行う予定である。
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