研究課題/領域番号 |
24590601
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
軍神 正隆 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40463848)
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研究分担者 |
中島 勧 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40323597)
松原 全宏 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40361498)
矢作 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60158045)
佐藤 元 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (70272424)
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キーワード | 医療安全 / 救急医療 / 電子カルテ / 臨床意思決定支援システム / 医療情報技術 |
研究概要 |
[研究の目的] 本研究の目的は、救急医療現場における医療関係者の負担を軽減しかつ救急医療における診療の質を担保することで医療の安全性を高めるシステムを開発し、現場に導入することで安全性を高めることが出来るか評価することである。 [具体的内容、研究の重要性] 初年度は開発に先駆けて諸外国で開発が進んでいる救急外来に特化した電子カルテシステムやその中に含まれる機能に関する論文の収集、日本における電子カルテに関する論文の収集、医療安全を目指した電子カルテシステム構築に関する論文の収集、日本の救急医療における電子カルテシステムアンケートを行った。その後、救急外来の安全を目指した電子カルテと救急現場において見逃しを減少させる臨床診断意思決定支援システムの構築を行った。前年度の開発では、インターフェースが見にくいという意見が聞かれたたため、再度再開発を行った。再開発後では教育的に有効、カルテ作成時間を短縮させる、見逃しを減少させる可能性がある、患者のデータベースとなりえ今後の臨床研究に使うことが出来るといった意見が聞かれた。 救急に特化した電子カルテの導入は医療現場、病院経営、国家戦略の3つの立場から成果が期待できる。医療現場では、紙カルテから電子カルテへのスムーズな移行、診療効率の改善、医療過誤の減少、標準的治療に沿って治療が行われることが期待されている。さらにその他の病院のシステムとの統合することで患者の安全性と診療支援が出来るようになる。医療費の立場からは無駄な検査を行わないことでコストを削減し利益を上げること、診療効率の改善により生産性を向上させることが期待されている。国家戦略としてデータベースの構築、リサーチ、集団マネジメント、サーベイランス、持続的な医療の質の改善と保証が期待されている。特に集団マネジメントは、新しい感染症やテロが起こった際救急外来のデータは極めて重要となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年度においては、救急診療において実際に開発した電子カルテシステムを導入し、評価を行う。
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今後の研究の推進方策 |
救急外来に特化した電子カルテシステムを開発し、臨床現場においてデータの集積を行う。データを基に、救急外来におけるカルテ入力の負担軽減ならびに医療安全性の向上に寄与するか評価し、論文を執筆する。さらに、使用した医師に対してアンケート調査を行う。このシステムは主に救急部をローテーションする初期・後期研修医が診療にて使用する。 来院された救急外来患者全てを対象とする。カルテの客観的評価項目として、救急外来受診時の患者年齢、性別、重症度、緊急度、診療時間、カルテ入力時間、スタッフ人数を計測する。ただし、患者のIDや名前は匿名化されており研究には使用しない。主観的評価項目として救急科をローテーションする医師に対してアンケートを行う。アンケートはローテーションを終了する最後の日に行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は開発した電子カルテシステムを実際に現場に導入し、データを採取する。 次年度は地域基幹病院ならびに都市基幹病院に導入する予定である。それぞれにサーバー(パソコン)を導入し、データを採取する。収集したデータは、研究員により整理してもらう。その後解析し、論文発表に繋げる。
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