研究課題/領域番号 |
24590603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小出 大介 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50313143)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | HL7 / CDISC / e-CTD / ICH / RPS |
研究概要 |
新薬申請に必要な共通技術文書であるCTD(Common Technical Document)の電子版であるe-CTDはICH標準として承認され、日本でも2005年に導入されている。しかし現在e-CTDの見直しとしてRegulated Product Submission (RPS)がICHのみならず、国際的な標準化団体であるHealth Level Seven(HL7)およびClinical Data Interchange Standards Consortium (CDISC)が協力して検討が進められている。 そこで本研究ではこれらの標準モデルを、新薬申請の標準様式の次期e-CTDとして現在開発が進みつつあるRPSに適用した際の社会的影響について、現状のe-CTDに盛り込まれている技術的機能要件との対比にて検討し、開発者側であるHL7及びCDISC側へフィードバックすることにより、よりよい標準とすることを目的としている。 初年度である平成24年度は、RPSのリリース2がまず、ICHで6月に標準仕様案としてStep2 for testing Implementation Guide (IG)がまとまり、10月から翌年3月1日まで意見募集が国内で実施された。またHL7にてDraft Standard for Trial Use (DSTU)として11月8日に発表され、平成26年11月9日までがコメント収集期間となっており、意見を反映できるよう準備を進めている。なおHL7においてライセンス・スタンダード費用について無償との発表がなされ、今後世界での導入に向けて大きな障壁がなくなった意義は大きいと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HL7本体においてRPSのツール開発を待っている状況であるが、標準仕様案はICHおよびHL7にて出されていることから、それをもとに検討が進められるので、本研究の進展に影響することは現状においてはない。ICHのStep2 for testing IGに対して意見提出する事項はなかったが、むしろStep2後のパブリックコメントが重要であり、その時期を平成25年度と想定しており、そのタイミングを重視している。
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今後の研究の推進方策 |
HL7におけるRPSリリース2の標準仕様案およびICHのeCTDの検討グループであるM8グループの動向を調査しつつ、これらRPSの標準仕様案とこれまでのe-CTD Version 3との対比を実施してまとめる。また国内の関係者(当局や製薬企業の担当者/専門家)と新たな技術的要件等のヒアリングを実施する。そしてそれらの取りまとめの結果について、HL7およびICHのパブリックコメントの期間に意見出しを行い、そのフィードバックを行う。これらの結果については、申請者自身が運営するホームページや学会において公表し、広く社会一般への成果を還元する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
HL7など国際会議への参加のため、海外旅費がおおくを占めることとなる。またHL7などでRPSに関するツールが開発されれば、それらツールを動かすために、コンピュータシステム上のアップグレードを要することも想定している。また国内関係者へのヒアリングに関しては会議費や謝金が発生することもあると考えている。
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