新薬申請に必要な共通技術文書であるCTD(Common Technical Document)の電子版であるe-CTDはICH標準として承認され、日本でも2005年に導入されている。しかし現在e-CTDの見直しとしてRegulated Product Submission (RPS)がICHのみならず、国際的な標準化団体であるHealth Level Seven(HL7)およびClinical Data Interchange Standards Consortium (CDISC)が協力して検討が進められている。 そこで本研究ではこれらの標準モデルを、新薬申請の標準様式の次期e-CTDとして現在開発が進みつつあるRPSに適用した際の社会的影響について、現状のe-CTDに盛り込まれている技術的機能要件との対比にて検討し、開発者側であるHL7及びCDISC側へフィードバックすることにより、よりよい標準とすることを目的としている。 平成26年度はHL7のRPSに基づくe-CTD Version 4.0の導入ガイドがICHより発表された。これはStep2のガイドライン(案)であり、引き続きStep3として日本では平成27年3月2日~5月22日迄パブリックコメントが募集されることとなった。既にICHがHL7と共に開発した個別症例安全性報告はStep4に達しており、そこで用いられるControlled Terminologyや平成28年度に国内導入が始まるCDISCのControlled Terminologyとの整合性があるかこの導入ガイドは明確となっていない。そこでこれらのControlled Terminologyと整合性を持つことが医薬品のLifecycleをスムーズに管理する上で重要であることをパブリックコメントとして出すことにした。
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