研究課題/領域番号 |
24590605
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
西城 卓也 岐阜大学, 医学部, 准教授 (90508897)
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研究分担者 |
川上 ちひろ 岐阜大学, 医学部, 助教 (50610440)
鈴木 康之 岐阜大学, 医学部, 教授 (90154559)
今福 輪太郎 岐阜大学, 医学部, 助教 (40649802)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 医学教育 / グループ討議 / 省察的学習 / 問題基盤型学習 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、平成25年度の後半に引き続き医学生への半構造化面接を追加実施し、学習者の感情表出や行動パターンのデータを取集し、主題分析を行った。分析の理論的枠組みとして医学生の知識獲得のパターンとされるTweed(2002)らが発表した「暗記・理解・応用・質問と修正」を応用した。ポジティブな感情表出として尊敬・好奇心・喜び・誇り・受容が挙げられ、ネガティブな感情表出として苛立ち・退屈・失望・恥・不安・戸惑い・憂鬱が表出されていたことが明らかになった。そしてその後の行動には、ポジティブな感情の場合には積極的行動の補強・模倣を中心とした行動化が認められた。一方ネガティブな感情の場合でも同様に非積極的な行動の補強と、さらなる非積極的態度の増強が認められた。 平成24年度から3年間で行われた本プロジェクトは、アジア人の1サンプルとしての日本人医学生を対象として、グループ討議の際に湧き起こる感情のシリーズ、およびそれらに伴う行動のパターンと補強・形成を探索することができた。欧米の文献と比して、多くの共通点が見られ、一方で大きな相違も見られた。この相違の根底にはアジア人特有の知識の獲得の方法に対するアプローチや経験に基づく信条が色濃く影響していることが示唆された。本研究の結果は、アジア系の医学生がグループ討議をする際に、それをファシリテートする教育者が配慮すべき感情や着眼すべき行動という、欧米の研究では得られなかった知見や方法論に光を照らすものである。
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