研究課題/領域番号 |
24590608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 雄公 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40362719)
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研究分担者 |
嶋津 岳士 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50196474)
池側 均 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (80379198)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地理情報システム / 病院前診療 |
研究概要 |
本研究の目的は、消防機関が、生命の危機に瀕している重症以上の傷病者に対して、混乱した救急現場において複数の選択肢の中から最も早期の医療を提供することが可能となる病院前診療システムを選択するための地理情報システムを構築することにある。 本研究の対象となる豊能および三島地域という隣接する2つの医療圏は、大阪府の北部に位置し、合計面積が490平方キロメートル、合計人口175万人であり、10箇所の消防本部により年間73000人の救急搬送が行われている。この2つの医療圏で発生する重症傷病者について、発生場所、受傷機転(発症様式)、年齢、性別、救急隊による患者接触時のバイタルサイン(呼吸数、呼吸様式、経皮的動脈血酸素飽和度、血圧、脈拍数、意識状態)、搬送先あるいは病院前診療システムの選定経過(収容の可否、選定回数、選定に要した時間、選定理由)、時間経過(発生時刻、消防機関への救急要請時刻、救急隊による患者への接触時刻、患者搬送開始時刻、医療機関到着時刻、医師引継ぎ時刻)、確定診断病名について、救急隊の活動記録から抽出する。現在、平成24年度分のデータについて、消防機関の協力のもと、個人を特定することが可能となる情報を除いたデータ抽出を行っているところである。 今後、抽出したデータを用いて、重症患者の発生場所から、コンピュータ上で地図ソフトを用いて直接に三次医療機関への搬送、ドクターカー要請、あるいはドクターヘリ要請の中で最も医師による治療開始が早くなるものを予測し、その予測治療開始時刻と、実際の救急隊から医師への引継ぎ時刻とを比較する予定である。さらに個々の重症患者についてデータ収集とその解析結果をGIS (Geographic Information System)ソフトにより地図上に統合していくことを進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、平成24年度分のデータとして、研究対象となる二次医療圏の消防機関の協力のもと、個人を特定することが可能となる情報を除いたデータ抽出を行っているところである。本データは、CSVファイルで抽出しているため、迅速にGISソフトに取り込むことが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、平成24年度の個々の重症患者についてデータとその解析結果をGISソフトにより地図上に統合していくことを進める。さらに、平成25年度の重症患者データについても同様にのデータ収集を行い、患者数の蓄積により情報の精度を高めていくこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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