本研究は、医療用語を多数含む医療文書の自動点字翻訳時の点訳精度向上手法の解明と固有名詞の点訳修正支援法の確立、を行う。 今年度は、収集した医療文書に含まれる単語の中で組織名など病院職員が容易に読みや区切りを修正可能と考えられる固有名詞を対象に形態素解析し、その出現頻度と出現パターンを解析することにした。その結果、出現頻度が低い又は読みが困難な人名については、当院の患者の場合は病院情報システムの電子カルテの患者情報との連携が有効であることが予想された。また、固有表現の点訳修正支援プログラムとして、プルダウンで修正候補を表示させるインタフェースを試作した。このプログラムの使い易さについて病院職員に意見を求めたところ、修正候補の数や修正完了までの画面の数について指摘を受けた。操作性に関しては、ユーザによって意見が異なる場合があるため、より多くの意見を収集する必要がある等今後の検討課題となった。 なお、前年度に研究開発した、歯科医療情報提供システム「Dentact」に関する研究成果を第15回日本クリニカルパス学会学術集会で発表し、学術集会優秀賞と座長賞を受賞した。
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