• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

メタロβラクタマーゼ産生腸内細菌の分布調査及び早期診断法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24590610
研究機関神戸大学

研究代表者

大澤 佳代  神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50324942)

研究分担者 吉田 弘之  神戸大学, 医学部附属病院, その他 (40626248)
白川 利朗  神戸大学, 保健学研究科, 教授 (70335446)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード細菌 / 抗菌薬 / 薬剤耐性 / 分子疫学 / メタロβラクタマーゼ / 基質特異性拡張型βラクタマーゼ
研究実績の概要

神戸大学附属病院関連施設にご協力いただき、腸内細菌科のサルモネラ属200株、大腸菌74株、カルバペネム系薬剤に耐性と疑われた腸内細菌科の株35株を収集した。これらの薬剤感受性試験を行い、メタロβラクタマーゼ(MBL)や基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌が疑われる場合、それぞれの確認テストを行った。これらのDNAを抽出して、PCRを行い、MBL産生菌特異的な遺伝子群、ESBL産生菌特異的な遺伝子群を検出して、シークエンス解析を行った。さらには、病原遺伝子、キノロン耐性遺伝子なども確認した。さらには疫学的な調査方法として、MLST、PFGE、繰り返し配列を基にしたrep-PCR法、プラスミドレプリコン解析を行った。結果は以下の通りである。
①サルモネラ属では200株中2株がESBL産生株であり、PFGEによるパターン解析をしたところ、同一クローンから派生している可能性が示唆された。このサルモネラ属におけるESBL産生菌の報告例はあまりなく、貴重な報告である。
②大腸菌74株中72株がESBL産生株であり、キノロン耐性も多く認められた。ESBL産生株はすべてCTX-M型が検出された。さらに、世界でも流行が懸念されているO25:H4、MLSTによるシークエンスタイプ131であるCTX-M-15型も5株検出され、rep-PCRの結果同一パターンに分類されることがわかった。CTX-M-15型には病原因子のうち7種類が検出され、プラスミドレプリコン解析ではF型が多く認められた(65株、90.3%)。
③カルバペネム系薬剤に耐性と疑われる腸内細菌科の株35株のうち、17株(48.6%)でMBL産生性が確認され、内訳は肺炎桿菌10株、大腸菌7株であった。遺伝子解析の結果、MBLの型別として14株でIMP6型が確認された。IMP6型MBLは主にカルバペネム系薬剤であるメロペネムには耐性を示すが、イミペネムには感受性を示す株であり、臨床で検出が難しいため今後もその動向に注意すべきである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Molecular Characteristics of Extended-Spectrum β-Lactamase-Producing Escherichia coli in a University Teaching Hospital.2015

    • 著者名/発表者名
      Osawa K, Shigemura K, Shimizu R, Kato A, Kusuki M, Jikimoto T, Nakamura T, Yoshida H, Arakawa S, Fujisawa M, Shirakawa T.
    • 雑誌名

      Microb Drug Resist.

      巻: 21 ページ: 130-139

    • DOI

      10.1089/mdr.2014.0083.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Antimicrobial resistance in Salmonella strains clinically isolated in Hyogo, Japan (2009-2012).2014

    • 著者名/発表者名
      Osawa K, Shigemura K, Shimizu R, Kato A, Kimura M, Katayama Y, Okuya Y, Yutaka S, Nishimoto A, Kishi A, Fujiwara M, Yoshida H, Iijima Y, Fujisawa M, Shirakawa T.
    • 雑誌名

      Jpn J Infect Dis.

      巻: 67 ページ: 54-57

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 兵庫県下で分離されたメタロβラクタマーゼ産生腸内細菌の解析2014

    • 著者名/発表者名
      大澤佳代、重村克巳、吉田弘之、藤原美樹、荒川創一、藤澤正人、白川利朗
    • 学会等名
      第88回日本感染症学会学術講演会
    • 発表場所
      福岡(ヒルトン福岡シーホーク)
    • 年月日
      2014-06-18 – 2014-06-20
  • [学会発表] 当院で分離されたESBLs産生Escherichia coliの遺伝子解析2014

    • 著者名/発表者名
      大澤佳代、重村克巳、吉田弘之、藤原美樹、荒川創一、藤澤正人、白川利朗
    • 学会等名
      第88回日本感染症学会学術講演会
    • 発表場所
      福岡(ヒルトン福岡シーホーク)
    • 年月日
      2014-06-18 – 2014-06-20

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi