研究概要 |
確率共鳴理論が触覚の向上に寄与する可能性を確認するために、(1)素手に微細振動装置(PZTアクチュエータ)を装着、(2)手術用手袋に微細振動装置(PZTアクチュエータ)を装着、(3)微細振動装置(PZTアクチュエータ)を装着した内視鏡外科手術用デバイスを介して、という3条件下に触覚を測定した。触覚の測定方法は、被験者(目隠しをしてヘッドホンを装着)に微細な振動をアトランダムに与えながら、一定の高度を持つ物体(太さの異なるモノフィラメント)を接触させて、その硬度を感じるポイントを記録していった。 (1)素手に微細振動装置(PZTアクチュエータ)を装着:被検者がはじめて感じる感じる振動の大きさを100%とした場合、50%、75%、100%、125%の振動の大きさを与えた場合に基準値より触覚が有意に向上した(p=0.018, p=0.017, p=0.011, p=0.017)。 (2)手術用手袋に微細振動装置(PZTアクチュエータ)を装着:75%、100%、125%の振動の大きさを与えた場合に基準値より触覚が有意に向上した(p=0.031, p=0.031, p=0.034)。 (3)微細振動装置(PZTアクチュエータ)を装着した内視鏡外科手術用デバイスを介して:50%、75%、100%、125%の振動の大きさを与えた場合に基準値より触覚が有意に向上した(p=0.046, p=0.042, p=0.012, p=0.011)。 結果として、いずれの状況においても、有意な触覚向上が得られた。
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