研究課題/領域番号 |
24590612
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
惠木 浩之 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 特任講師 (20403537)
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研究分担者 |
栗田 雄一 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80403591)
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キーワード | 確率共鳴理論 / 触覚向上 |
研究概要 |
確率共鳴理論に基づき、手術中に術者に微細な振動を与えることで触覚の向上が得られる可能性があると仮説を立てた。それを確かめるため、昨年度の実験で以下に示す条件下で触覚の変化を確認した。1)素手に微細振動装置(PZTアクチュエータ)を装着、(2)手術用手袋に微細振動装置(PZTアクチュエータ)を装着、(3)微細振動装置(PZTアクチュエータ)を装着した内視鏡外科手術用デバイスを介して。この3条件下に触覚を測定したところ、いずれの条件下においても触覚が有意に向上した。 次のステップとして平成25年度は、実臨床においてパフォーマンスの向上が得られる可能性があるかどうか確認することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は確率共鳴理論を応用することで、内視鏡外科手術用デバイスを介した状況下で、つかむという動作が向上する可能性があることを示すことができた。 内視鏡外科手術の実臨床を反映するタスクである縫合結紮を用いて検証した。所要時間を①針把持時間(秒)、②運針時間(秒)、③結紮時間(秒)に分けて検討したところ、触覚が最も関与すると考えられる針把持時間(s)が、振動ありで12.5(5.3-49.7)秒と振動なし5.5(4.7-12.0)秒と比較して有意に短くなっていた(p=0.010)。また、OSATS (Objective Structured Assessment of Technical Skills Score)OEndoscopic Suturing Scoreでも評価したところ、Needle positionは、振動ありで7.0(5.0-8.0)点、振動なしで7.8(6.3-8.0)点と振動ありで有意に高得点になっていた。 以上より、確立共鳴理論に基づき一定の振動を与えたところ触覚の向上が得られ、持つという動作が改善することでパフォーマンスの向上が得られる可能性を示すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
最適なセッティングを検証しながら決定する。その後は動物実験を経て臨床応用にむけて製品化を目指していく予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究計画に組み込むため。 研究に使用する器械の購入等。
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