研究課題
診療科横断的で、オンライン入力可能なクリニカル・クラークシップ評価システムを作成し、2年間使用してその結果を解析した。評価は各診療科の実習担当教員が入力するもので、評価する時期や、評価する項目は自由に設定できる。学生の登録はリストから容易に行え、また学生の顔写真も掲載できるようにした。実習の年間ローテーションスケジュールも年度始めにまとめて登録可能である。香川大学医学部では、初年度の試用を経て、平成25年度、26年度と2年間本システムを用いてクリニカル・クラークシップの評価を行った。診療科間で共通の評価項目としては、1)出席状況、2)実習への熱意、3)知識とスキル、4)課題達成、5)患者への配慮、6)総合評価、として、1)以外は6点満点で評価し、総合評価を診療科の評価とした。総合評価の平均値±標準偏差は、平成25年度;5.18±0.53、平成26年度;5.14±0.56で大差なかった。診療科別に2年間の平均値を比較したが、どの診療科においても大きな差は見られなかった。診療科によっては、学生間での評価に差がない(全ての学生の評価が6など)科も見られた。平成25年度の結果を各診療科に自科の評価結果(平均値、標準偏差)と全体の結果とを送付したが、平成26年度においてもこの傾向は大きくは変わらなかった。実習が真に参加型か見学型かによっても学生間の評価は異なるものと思われ、各診療科の実習の実態との対比は今後の課題である。それぞれの診療科の実習が終了する週末に評価の入力を依頼しているが、評価の入力が遅れることもあり、この際には、翌週の半ばに入力を促すメールを送信している。この催促メールの発信数を2年間で比較したところ、2年目にはほぼ半減し、システムの定着が想定された。最終年度末にシステムの提供を全国の医学部向けに発信したが、約半数の大学から問い合わせがあり、関心の高さが窺えた。
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