研究課題/領域番号 |
24590614
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小林 慎治 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20423519)
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研究分担者 |
木村 映善 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20363244)
上野 雄文 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (00441668)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
H24年度の研究目標は1)診療データベースを探索し、2)語彙を整理し、意味論的タグ付けを行うエージェントの作成であった。各目標についてその実績について概要を説明する。 1、診療データベース探索エージェント ISO13606/openEHR標準において診療概念モデルを定義するアーキタイプを解析するため、その定義形式であるアーキタイプ定義言語(Archetype Definition Language; ADL)のパーサをRuby言語で開発した。アーキタイプデータベースに対してWebインターフェースを利用してアクセスするルーチンも開発し、自動でデータを取得して解析することに成功した。内容については論文報告すると同時に、世界中のRuby開発者が集まるRubyWorld Conference 2013でその概要について講演した。 2、語彙の整理と意味論的タグ付け 欧米で整理された300のアーキタイプを縦覧し、内容について吟味を行った。同様の標準規格であるMML(Medical Markup Language)やGoogle microschemaとの比較検討を行った。データのタグ付けにはアーキタイプやmicroschemaが有用であることがわかったが、データ間のマッピングを行うためのプログラミング設計および、既存のターミノロジーへの対応について検討した。それぞれの標準において、情報粒度や概念についてずれがあることは、事前に予測されていたが、それを解消してマッピングを行うためのオントロジーあるいはシゾーラスについてさらなる開発が必要であることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初から予想されてはいたが、概念の異なる標準間のマッピングにおいては粒度や概念のずれを包含するための仕組みが必要である。しかしながら、それを実装するためには想定以上のコストがかかることが判明した。結果として、計画の進行が遅れることとなっているが、副次的に新しい研究成果が生み出される可能性についても示唆されている
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今後の研究の推進方策 |
本年度に開発する予定であった自動オントロジー生成、自己組織化マップの生成について研究を進める。この結果は昨年度で達成できなかった課題である、診療データへの自動タグ付け機構にも役に立てることができるものであり、進捗の遅れを取り戻すことができることにつなげられると考えられる。 スキーマ間のマッピング技術およびオントロジーについては、新しい知見も報告されている。本研究の達成すべき範囲とその技術の応用可能性についても検討を進め、次年度への研究に結びつけていく方針である。 本研究の一部については、2013年8月に開催予定のMEDINFO2013(コペンハーゲン)で発表する予定であり、国内外の研究者と本研究についての議論を深めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の一部を協力者に委託する予定であったが、委託する予定であった研究内容について自作できたため、その分の予算が次年度に繰り越された。 次年度においては、人件費あるいは海外での学会報告をするための旅費として支出する予定である。
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