研究課題
本研究は、医薬品適応外使用のアクセス改善に必須であるエビデンス評価システムを日本で構築することを目的として、①日本の適応外使用要望のエビデンス・推奨度の検証、②日本の公知承認審査と米国コンペンディウムにおけるエビデンスの選択から、承認・推奨の意志決定までの評価・判断基準の解析、を行うことにしている。26年度は当初から計画していた「適応外薬の要望」による2009年公募分285要望に関して、日本での承認状況を見守りつつ、DRUGDEXにおける評価(エビデンスに関する評価、有効性、推奨度)、要望の基本属性(ATC分類等)、海外での承認状況、日本で承認された場合のエビデンスについての調査を続けた。一方、25年度から引き続き、特定のカテゴリーの医薬品におけるエビデンスと承認等のアクセス確保に関する研究として、医薬品のコンパニオン診断に関するエビデンスと評価に関する研究を継続し、26年度は、コンパニオン体外診断薬の承認におけるエビデンス評価について研究した。体外診断用医薬品の承認としてみると日本の承認診断薬は限られており、医薬品が承認されていてもコンパニオン診断が利用できない状況にみえる。しかし日本の場合は、体外診断用医薬品としての承認がなくても、保険償還されているコンパニオン診断法が存在し、保険償還をアクセス可能と判断すると、有効性に関するコンパニオン診断は米国と同程度であることがわかった。
2: おおむね順調に進展している
25年度から開始した、特定のカテゴリーの医薬品におけるエビデンスと承認等のアクセス確保に関する研究が順調に進行し、特にコンパニオン診断薬とそれを用いる医薬品の開発、承認におけるエビデンス評価に関する研究が進展しているため。
特定のカテゴリーの医薬品におけるエビデンスと承認等のアクセス確保に関する研究として、新たにCBRN対策医薬品のエビデンスと承認に関する研究を行っているので、その成果をまとめる。引き続き、コンパニオン診断に関するエビデンス評価に関する研究も進行する。さらに調査を継続してきた「適応外薬の要望」の285要望に関する解析をまとめる。
支出額が最も大きいデータベースに関して、1年目に試用期間があったことと為替レートの関係で当初計画より使用料金が抑えられていた分が持ち越しになっているのが主な理由である。
申請書での予定通り、DRUGDEXの契約料、論文の英文校正費、雑誌掲載料などとして使用する他、解析方法としてテキストマイニングを利用するためのマイニングエンジンのチューニング等の費用として使用し、さらに研究を進める予定である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 3件)
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