研究課題/領域番号 |
24590623
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
濱井 妙子 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (50295565)
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研究分担者 |
永田 文子 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (30315858)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地域医療学 / 外国人医療 / 医療通訳者 / 研修プログラム / 医療コミュニケーション / 異文化コミュニケーション / 在住ブラジル人 |
研究実績の概要 |
本年度は、研修プログラムの有効性の評価と研修修了者へのフォローアップ研修を実施した。 プログラムの有効性はプロセス評価とアウトカム評価により実施した。プロセス評価の一つとして研修参加者によるプログラム評価の結果をまとめ関連学会に発表した。アウトカム評価は次の3つの側面から評価した。1、医療通訳者に必要な基礎知識の習得状況を筆記試験にて評価する。2、医療通訳実技試験における医療通訳者の基本的な姿勢と態度についてルーブリックにて評価する。3、医療通訳実技試験における通訳者の発言の変化をカウントし、通訳の正確性と臨床結果への影響を評価する。これら3側面について研修前、講義・演習中心の研修後、実務実習後の3時点で比較した。分析対象者は27名で、平均年齢は41.4±11.6歳(19~62歳)、男性4名、女性23名であった。平均在日期間は17.9±5.0年、日本語能力試験N1級の合格者は12名(44.4%)であった。日本語能力に関わらず医療現場で通訳をした経験がある者は20名いた。専門の研修を受けた者はいなかった。筆記試験の得点率が到達目標80%以上の者は研修前9名、研修後21名、実習後24名であった。3時点での筆記試験得点(140点満点)の一元配置分散分析とその後の検定(Bonferroni)では、実習後の得点(120.4±11.4)は研修前の得点(105.2±13.1)に比べて有意に高かった(p=0.000)。これらの結果からアウトカム評価1についてプログラムの有効性が認められた。現在、アウトカム評価1については得点変化と日本語能力との関連、2と3についても分析を進めており、プログラムの有効性と改善点が明らかになってきている。 研修修了者へのフォローアップ研修は、医療通訳者を継続的にサポートすることを目的に、研究協力機関と共同して医療通訳に必要な専門的な勉強会を企画し4回実施した。
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