研究課題/領域番号 |
24590629
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
大島 寿美子 北星学園大学, 文学部, 教授 (60347739)
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研究分担者 |
川畑 秀伸 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20325864)
前沢 政次 北海道大学, その他部局等, 名誉教授 (90124916)
北澤 一利 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00204884)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | サバイバーシップケア / がん |
研究概要 |
米国ではがんのサバイバーケアプランを運用するための医療者間の連携についての研究がここ数年数多く行われるようになり、臨床現場でもがん治療を行った医療機関とプライマリ・ケアやその他の医療専門職との役割分担が進められている。日本においてはこの点に関する検討は地域連携パスの活用の実態調査が主であり、総合的なケアを提供するという視点からはほとんど研究はなされていない。そこで本研究では、がん術後患者の術後の治療行動を明らかにするとともに、地域あるいはプライマリ・ケア医ががん術後患者のフォローアップを行うために必要な条件を検討することを目的とし、日本の二次医療と地域医療の実情を踏まえた日本版サバイバーケアプランのモデルを作成したいと考えている。 初年度は先行研究をまとめるとともに、がん患者・体験者がどのような療養行動(care-seeking behavior)を取っているのかを調査した。術後後遺症であるリンパ浮腫の発症頻度が高い婦人科がん術後患者を対象にフォーカスグループを実施し、患者が後遺症の治療についてどのような受診行動をとっているかに着目して分析した。その結果、術後のケアに関して受療遅延が起きていること、そこには患者の知識や情報、フォローアップでの医師の態度が影響を与えていることが示唆された。また、患者が独自の判断で多様な医療機関を受診していることも明らかになった。本研究により、がん術後患者に関しては情報提供とフォローアップでのケア、がん治療機関とプライマリ・ケアを含む他の医療機関との連携に課題があることが示唆された。この結果を踏まえ、プライマリ・ケア医を対象に予備的なインタビューを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の前段階の調査及び先行研究のまとめに予想以上の時間がかかり、プライマリ・ケア医への調査は予備的なインタビューを実施するにとどまった。2年目に本格的なインタビューを実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
1年目に計画していながらできなかったインタビュー調査を前半に実施し、後半には計画通り質問紙調査を実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の進展が当初の計画よりも遅れたため、インタビュー調査に使用するための旅費などを次年度に繰り越した。
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