研究課題/領域番号 |
24590629
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
大島 寿美子 北星学園大学, 文学部, 教授 (60347739)
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研究分担者 |
川畑 秀伸 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20325864)
前沢 政次 北海道大学, その他部局等, 名誉教授 (90124916)
北澤 一利 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00204884)
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キーワード | プライマリケア / がん / サバイバーシップ |
研究概要 |
昨年度の成果に基づき、がんのサバイバーシップに関する文献を収集し、レビューを実施した。レビュー結果は現在論文として執筆中であり、投稿予定となっている。また、プライマリ・ケア医へのインタビューについては、In-depth Interviewのための予備的なinterviewをプライマリ・ケアに従事している医師に対して複数回行った。 がんサバイバーのニーズに関する予備的な質問紙調査を実施した。その結果、がん患者・体験者は、特に身体症状および精神・心理的な問題について悩みや不安を持っていた。また、悩みや不安は診断からの時期により変化していた。回答者の多くは、家族や身近な人に相談したり、人に相談せず自らの努力で悩みや不安を解決していることも明らかとなった。以上のことから示唆されるのは、身体症状の緩和と精神的なケアの必要性である。 これまでプライマリ・ケアの果たす役割としては、がん地域連携クリティカルパスを用いた専門医との連携による術後のフォローアップや抗がん剤やホルモン剤などの投薬に焦点があたっていたが、身体症状や精神症状の緩和についても検討していく必要があると考えられる。 アメリカやイギリスを中心にがんのサバイバーシップケアプランの導入が進んでいる。日本において同様の仕組みの導入か可能かどうかを検討することが次年度の課題であるが、今年度の結果からかかりつけ医の果たすべき役割について有益な示唆が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
In depth interviewおよび論文投稿の準備がやや遅れ気味であるが、次年度にまとめて行う計画である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はこれまでの調査をまとめるとともに、日本版のサバイバーシップケアプランの導入の可能性について検討する計画である。 研究計画についてであるが、プライマリ・ケア医への調査をインターネット調査会社を利用して行うこととした。
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次年度の研究費の使用計画 |
量的調査の対象者数を増やし、インターネット調査会社を利用して実施することにした。インターネット調査会社への委託料(およそ100万円)を確保するため、必要な額を翌年度に繰り越した。 インターネット調査会社に依頼し、現役医師パネルを利用する。
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