研究課題/領域番号 |
24590635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤本 修平 東海大学, 医学部, 教授 (90241869)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 感染制御 / 電子化 / アルゴリズム / 分子疫学 / 精度検証 / 電子疫学 |
研究概要 |
①疫学研究倫理審査を受審し承認を受けた(東海大学医学部臨床研究審査委員会12R-030号)。 ②研究協力施設、研究協力外注検査会社での倫理審査、疫学研究協力手続きを行い、研究協力承諾を得た。 ③システムの保全、安全確保を行った上で、研究に必要なデータの収集、集積を開始した。データは、研究協力外注検査会社からVPN(virtual private network)を介してSHIPL(Standardized Hospital Infection Lookout; 標準化院内感染症監視システム)を改造した研究用システムにリアルタイムで送信され、システムはこれを集積し、自動解析アルゴリズムにより異常の検出を行う。大きな異常は検出できなかったが、中程度の異常として検出されたものに対して、前向きに菌株の保存を依頼し収集した。また、対照群となる菌株として異常のない状態での分離株の収集を依頼し収集した。 ④年度内に2施設に由来する5菌種68株を収集保存した。収集した菌株に対してパルスフィールド電気泳動を実施し、泳動バターンをデータベースに収納した上で類似性、系統樹解析を行った。 ⑤パルスフィールド電気泳動の泳動パターンと、SHIPL上での2DCM(Two Dimensional Carrier Mapping)の突合を行った。突合結果と異常検出アルゴリズムでの検出状況、2DCM上での同一菌株との同定評価を統計的に評価する方法を検討した。 《まとめ》次年度以降の研究に必要な手続き、方法の整備を完了し、研究に必要なデータ、試料の収集解析に着手した。次年度以降、データの集積、自動解析、菌株の収集、解析、統計的検討を継続する目途を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)初年度、行うべき、研究基盤の整備(疫学研究倫理審査、研究協力施設・研究協力外注検査会社での研究協力承諾、データ収集解析システムの保全、安全確保、データ収集解析システムの稼働。)は完了し、すでに、データの収集、解析を開始している。 2)対象となった施設において大きな異常は検出されなかったが、中程度の異常に対して、前向きに菌株の収集を行うことができた。同時に対照となる菌株の収集も開始した。 3)収集した菌株に対して分子疫学的な解析を行い、泳動データなどのデータベースへの蓄積も開始した。 4)研究の基本方法である、電子疫学的データと分子疫学的データの突合を初め、これに対して統計的検討を行うための検討を開始した。 以上により、初年度の研究目標はおおむね達成できたと評価する。
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今後の研究の推進方策 |
今年度(初年度)整備した研究基盤を用い、電子データ、電子疫学的解析データ、菌株の収集、菌株の分子疫学的解析を進め、これらを突合したデータの蓄積を重ねる。蓄積したデータの統計的検討方法を確立し、これによって、研究の目的である、電子疫学的解析に用いるアルゴリズムの精度検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
来年度の共同機器利用費(旅費等その他)に含めて共同機器の利用に用いる。
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