研究課題/領域番号 |
24590642
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
斉藤 宗則 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 准教授 (90399080)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 伝統医学 / 基礎理論 / 鍼灸 / 古典 / 東洋医学 |
研究概要 |
中国では伝統医学の近代化を図り、古典を基にその体系の基礎を教科書『中医基礎理論』として使用している。日本では独自の発展を遂げたが、それらを反映した研究資料や教科書がない。一方、伝統医学の標準化が世界レベルで進められる中、日本は会議において基礎資料が不足しているため、苦戦を強いられている。日本の伝統医学の古典に基づいた体系化・近代化をさらに進め、世界の標準化に強く参画するためにも、日本の古典に基づいた理論基盤を整備し、それを反映した研究資料・教科書を作成する必要がある。 今年度は研究の基礎となる、主に鍼灸と関連する文献資料についてデジタル媒体を先行して収集し、書誌情報を含めて整理を行った。対象となった文献中、基礎理論を含むものは以下の通りである。平安~安土桃山:45/89文献、江戸前期:未確認、江戸後期:68/215文献、明治以降:6/19文献(他17文献未確認)。これらについて、基礎理論を含む部分について画像データを集め、書誌情報とともにデータベース化した。 日本の文献を対象とした伝統医学の基礎理論の網羅的な調査を初めて行い、古代から現代までの記載文献の概数が明らかになった。初歩的調査における印象では、中国古典の引用が多いが、日本独自の理論も見られる。また、中国では『中医基礎理論』に関する書籍は多数出版されているが、「中医理論体系」というより大きな枠組みによる歴史のみで、個々の理論の変遷等に関するまとまったものは見られなかった。これらは伝統医学の体系化において重要な基礎となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究者の担当のうち、中国の概況、平安~安土桃山、江戸前期、江戸後期、明治以降、DB作成のうち、江戸前期を除いて今年度の目標に達しているため
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、毎月のSkype会議による進捗状況の確認・課題検討、メーリングリストによる適時対応、半年に一回の発表会議などを行い、研究を推進していく。目的未達部分は新たな研究協力者を追加して進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
文献収集について、インターネット上のものを最優先し、直接の訪問を極力抑えているため繰越が出ている。今後も文献の補充や学会発表、シンポジウム開催等のために使用する予定である。
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