研究課題/領域番号 |
24590644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
山下 仁 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (10248750)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 鍼灸 / 安全性 / 学校教育 / 医療安全教育 / 教育コンテンツ / 教育の質 / 鍼灸学科 / ワークショップ |
研究概要 |
10年間で4倍に増加した鍼灸師養成課程(鍼灸学科)の医療安全教育の質・量の評価と教育用コンテンツモデルの開発を計画した。平成24年度は鍼灸学科の医療安全教育の現状に関する調査と、鍼灸による有害事象・過誤報告に関する調査を行った。 1.医療安全教育の現状調査においては、別の研究グループにより全国の鍼灸学科を有する大学・専門学校を対象とした質問調査が行われたため、重複を避けるため調査票の郵送を中止し、このグループの調査結果の公表を待つこととした。また、視覚支援学校に対する調査が行われていないため、その質問票を作成し、平成25年度に郵送することとした。 2.鍼灸による有害事象・過誤報告に関しては、医中誌WebおよびPubMedにより関連文献を検索し、収集して事象ごとに整理した。報告数は10年前の調査と大差なく同程度の数と割合で掲載されていた。ほとんどの症例は現代西洋医学系学術雑誌に掲載されていたため、情報収集により鍼灸師および学校教育にフィードバックする必要性が示唆された。 3.業団体の協力により得られた賠償責任保険による支払例は、平成19年をピークとして例数・金額ともに減少傾向にあった。 4.韓国の韓医学部における鍼灸安全教育の概要と教育施設と比較するために、国立釜山大学を訪問して調査した。安全性に関する教育に特化した授業科目はなく、いくつかの授業科目の中に散在していた。また日本と鍼灸の刺法が違うため、刺鍼時の衛生管理教育を単純に比較することは難しかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
別の研究グループにより全国の鍼灸学科を有する大学・専門学校を対象とした質問調査が行われたことは想定外であったが、このグループにコンタクトして近い将来に調査結果が公表されることを確認できたため、重複を避けて方針変更した。しかし視覚支援学校に対して同様の調査を実施することにより、むしろ当初計画よりも詳細で多面的な比較ができると考えている。 海外との比較については、まず韓国における教育の現状を参考にしたが、米国についても必要であろうと考えており、これは次年度に持ち越すこととなった。 総じて、初年度は現状把握が目的であったため、ほぼ計画通りであると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
当初申請した研究計画調書のとおりに進めることとする。 ただし、平成24年度に行えなかった視覚支援学校の調査、米国の教育内容の調査についても実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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