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2012 年度 実施状況報告書

薬学的観点より副作用を早期に発見するためのバーチャルトレーニング法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 24590647
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州保健福祉大学

研究代表者

徳永 仁  九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (60369171)

研究分担者 佐藤 圭創  九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (00315293)
高村 徳人  九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (20369169)
松岡 俊和  九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (50150545)
瀬戸口 奈央  九州保健福祉大学, 薬学部, 助手 (50551305)
緒方 賢次  九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (90509580)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードバーチャルトレーニング / シミュレーション / フィジカルアセスメント / シナリオ / 学習教材
研究概要

本研究では、様々な疾患時における薬物投与時の薬効評価または副作用発現時のフィジカルアセスメントを可能にするバーチャルトレーニング法の構築を目指している。平成24年度は、そのバーチャルトレーニング法に使用するオリジナル症例のためのシナリオ作成とそれらのシナリオで使用する心音・肺音・腸音およびコロトコフ音などの採取(合成)を行った。
(1)オリジナル症例のためのシナリオ作成:患者の全身状態は、パソコンスピーカーからの心音・肺音・腸音のリスニングにより、またはパソコン画面上に表示される血圧・体温・動脈血酸素飽和度・脈拍数の数値の確認により再現を行う予定である。そこで、これらのアセスメントが可能なシナリオを作成した。これまでに作成した病態や副作用の再現は、医薬品使用と関係した約20症例である。
(2)心音・肺音・腸音およびコロトコフ音などの採取(部位別または異常音も含む):本来これらの音に関しては、実際に患者からの同意・協力のもとで実音を録音して使用する予定であったが、提供者の協力を得ることは非常に困難であった。そこで我々が所有している生体シミュレータの実音をもとに、心音・肺音・腸音およびコロトコフ音の正常音や代表的な異常音に関して合成音として作成した(外部委託)。合成した音は約20種類におよぶ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画どおり、(1)オリジナル症例のためのシナリオは作成できたが、(2)心音・肺音・腸音およびコロトコフ音などの採取が困難をきわめた。しかしながら合成音として心音・肺音・腸音を作成することにより、シナリオの再現に使用できるように工夫を行った。
(1)オリジナル症例のための作成したシナリオは心房細動、慢性閉塞性肺疾患、心室頻拍、脳内出血、有機リン中毒、肥大型心筋症、うっ血性心不全、心室細動、間質性肺炎、胸水、イレウス、気胸、気管支喘息、心筋梗塞、大動脈弁狭窄、大動脈閉鎖不全、僧帽弁狭窄、僧帽弁閉鎖不全、コカイン中毒、便秘などである。
(2)合成した心音は、正常音である大動脈弁領域・肺動脈弁領域・三尖弁領域・僧帽弁領域の4音と、異常音としてS3ギャロップ・S4ギャロップ・S3+S4ギャロップ・大動脈弁狭窄・僧帽弁閉鎖不全・心房細動などである。合成した肺音は、気管・上肺野・下肺野の正常3音と水泡音・捻髪音・笛様音・いびき音である。合成した腸音は、サブイレウス・下痢・イレウス・正常の腸音である。

今後の研究の推進方策

(1)オリジナル症例のためのシナリオ作成(平成24年度に引き続き):患者の全身状態は、パソコンスピーカーからの心音・肺音・腸音のリスニングにより、またパソコン画面上に表示される血圧・体温・動脈血酸素飽和度・脈拍数の数値の確認により再現する。そこで、これらのアセスメントがすべて可能なシナリオを引き続き作成する。
(2)心音・肺音・腸音およびコロトコフ音などの合成音の作成(平成24年度に引き続き):新たに作成されたシナリオで使用する心音・肺音・腸音およびコロトコフ音などを外部委託において作成をする。
(3)インターネットで確認を行うためのバーチャルペイシェントの作成:性別、年齢、体格、疾患状態や臨床検査値などが考慮されたペイシェントを作成する。
(4)(1)と(2)の医師や専門家による監修:シナリオや心音・肺音・腸音およびコロトコフ音などの合成音については、医師や専門家の監修を受ける。
(5)(1)から(3)が一元化されたトレーニング用ホームページの作成:バーチャルペイシェントの心音・肺音・腸音などの聴取領域にマウスを移動させることによりスピーカーからの音の聴診を可能にする。また、血圧・体温・動脈血酸素飽和度・脈拍数は画面上に数値を表示されることにより容易に確認ができるようにする。さらに、患者背景などの情報も画面に挿入する。つまり、トレーニング用画面を作成し、信頼性のあるホームページ用の薬剤師向け学習教材として体裁を整える。

次年度の研究費の使用計画

オリジナル症例のためのシナリオ作成として、最新の薬物治療の情報収集を目的として「書籍代」と「学会参加への旅費」などを予定している。パソコン上におけるバーシャルペイシェントについては外部委託が必要になるために、「バーシャルペイシェント作成費」を昨年度に引き続き予定している。なおバーシャルペイシェントの作成は、CG作成業者への見積もりをもとに最低ラインで見積もっている。さらに、「ホームページ制作・年間更新費」も予定している。その他、医学教育学会などの「学会発表用の旅費」が必要である。旅費については公共交通機関の運賃及び宿泊費をもとに、一般的なビジネスパック料金を基に算出した。ただし東京として算出している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 重篤副作用疾患別対応マニュアルを横断的に検索可能にする簡易版データベースの作成2013

    • 著者名/発表者名
      徳永仁
    • 学会等名
      日本医薬品情報学会
    • 発表場所
      名城大学薬学部(愛知県)
    • 年月日
      20130810-20130811
  • [学会発表] 疾患別の副作用を横断的に検索可能にする副作用データベースの作成2012

    • 著者名/発表者名
      徳永仁
    • 学会等名
      日本医薬品情報学会
    • 発表場所
      近畿大学薬学部(大阪府)
    • 年月日
      20120707-20120708
  • [備考] 九州保健福祉大学臨床薬学第二講座(ベッドサイド実習担当)薬学シミュレーション教育

    • URL

      https://www.pharm.phoenix.ac.jp/~cp2/dl.html

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公開日: 2014-07-24  

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