研究課題/領域番号 |
24590650
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
米本 直裕 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナルメディカルセンター 生物統計解析室, 室長 (90435727)
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研究分担者 |
稲垣 正俊 岡山大学, 大学病院, 講師 (60415510)
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キーワード | 自殺予防 / 複合介入 / 評価指標 / 系統的レビュー / 研究ガイダンス |
研究概要 |
1.「自殺予防介入の評価指標」の開発 文献データベース等から系統的レビューにより抽出された評価指標と自殺及び自殺行動との関連を研究した論文、資料から集積された評価指標に関するデータを整理し、分析した。国際標準であるCore Outcome Set作成のための主資料となる評価指標リストを作成し、評価指標と自殺及び自殺行動との関連を包括的に整理した。さらに、 Web調査によるコホート研究のデータを用いて、自殺サイトの閲覧と自殺行動とその背景の分析を行い、その影響を検討した。またレセプトデータの整理を行い、患者背景と自殺行動の分析のためのデータセットの準備を行った。 2.「自殺予防介入のための研究ガイダンス」の作成 自殺予防介入のための研究ガイダンス作成の基本資料を収集した。自殺予防介入の研究ポイントである「複合介入」、「バイアス」に関して、文献レビューを行い、最新の動向に関する情報を収集した。複合研究の開発のためのフレームワーク、関連する研究のガイドライン、研究実施における方法論的な課題を明らかにした。複合介入において用いられる、量的研究と質的研究を複合する混合研究法(Mixed method)や、複合介入の介入、効果のプロセスを数量的、因果的に分析するMediation analysisのメリットや課題についてのまとめを行った。さらに、日本において過去に大規模な複合介入の研究を実施した研究者との情報交換を行い、研究遂行においてどのような課題があるかを整理した。また、コクラン共同計画で行われている複合介入のレビュー方法に関する議論に参加し、情報を収集し、自殺予防介入研究における応用可能性についての検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.「自殺予防介入の評価指標」の開発 標準化された評価指標リストを作成した。 自殺行動とその背景についての分析、データの整理を行った。 2.「自殺予防介入のための研究ガイダンス」の作成 自殺予防介入のための研究ガイダンスの作成ために必要な、最新の資料を包括的に収集した。さらに、過去、現在研究を行っている複数の研究者から、課題点を収集し、整理した。
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今後の研究の推進方策 |
1.「自殺予防介入の評価指標」の開発 自殺予防介入の評価指標の開発のため、Core Outcome Set作成のための主資料となる評価指標リストを用いて、高度な統計モデルに基づいた分析、ネットワークアナリシス、階層ベイズ法などを用いた分析に関する検討をさらに行う予定である。 2.「自殺予防介入のための研究ガイダンス」の作成 研究ガイダンス案を作成し、複数の専門家との意見交換、フィードバックを受け、作成を進める予定である
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