抗精神病薬の急性期の効果予測として薬物濃度と受容体遺伝子多型に着目した。リスペリドンではDRD2遺伝子の-141Ins/Del多型によって異なった治療効果-薬物濃度関係となった。一方、抗精神病薬の長期投与は肥満や耐糖能異常といった副作用を引き起こすが、この候補遺伝子の解析を行い、GSTT1欠損者にはメタボリック症候群が多く、CLOCK C3111T のCアレル保有者ではメタボリック症候群や高血圧が多かった。以上より、薬部濃度と作用部位の遺伝子多型や副作用と関連する遺伝子の解析は抗精神病薬の個別化医療に寄与する可能性が高いことが示された。
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