我々は、認知機能改善薬であるST101のT型カルシウムチャネル賦活作用に注目したアルツハイマー病創薬研究に従事し、海馬におけるST101のT型カルシウムチャネル賦活作用には、Achの遊離促進が関与していることを明らかにした。ST101(1mg/kg)の慢性適応により、嗅球摘出マウス(OBXマウス)における認知機能障害は、有意な改善効果を示し、T型カルシウムチャネル阻害薬であるmebefradi(1mg/kg)の前処置によりこの改善作用は阻害された。また、ST101による認知機能改善作用は、CaMKIIalpha, PKCおよびERKのリン酸化反応の促進効果が関与していることも明らかにした。
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