本研究では心房に対して慢性的な容量負荷を与える動静脈瘻モデル動物を作製し、心臓の形態的変化、電気生理学的変化および心房細動の持続性について検討した。モデル動物では心房重量の増加と心房組織における線維化、およびカリウムチャネルおよびコネキシンのmRNAの低値が認められた。Burst pacingにより誘発される心房細動の持続時間は正常動物に比べて有意に延長しており、このモデル動物にアルドステロンを慢性投与すると心房細動持続時間がさらに延長した。心房に対する慢性容量負荷は心房拡大と心房内伝導遅延等の電気性理学的特性の変化を誘発し、アルドステロンが心房細動の促進因子として働くことが明らかとなった。
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