本研究では、転移性肝癌の進展及び病態に活性酸素種が深く関与している点に着目し、触媒反応を利用して様々な種類の活性酸素種を持続的に消去可能な白金ナノ粒子を用いることで転移性肝癌が効率よく抑制可能であることを示した。すなわち、活性酸素消去能に優れる白金ナノ粒子を開発することに成功し、マウスにおけるその肝臓選択的な体内動態、肝転移抑制効果ならびに安全性を明らかにした。また、白金ナノ粒子による肝転移抑制効果には活性酸素消去による接着因子の抑制が一部関与している可能性が示された。以上のように転移性肝癌治療における白金ナノ粒子の有用性を明らかにした。
|