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2014 年度 実施状況報告書

炎症性腸疾患薬のファーマコゲノミック・バイオマーカーの機能的探索及び活用法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 24590671
研究機関兵庫医療大学

研究代表者

大野 雅子  兵庫医療大学, 薬学部, 講師 (50467528)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードファーマコゲノミクス / 炎症性腸疾患 / アザチオプリン
研究実績の概要

アザチオプリン(AZA)は,難治性疾患である炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)に対して適応を有する免疫抑制剤であり、治療上重要な位置を占めている。しかしAZA療法の問題点として、骨髄抑制などの重篤な副作用がみられること、副作用・有効性発現に個人差があること、小児での安全性が十分には確立されていないことが挙げられる。本研究の目的は、薬物動態関連分子の機能的解析により、炎症性腸疾患薬AZAの反応性に関わるファーマコジェネティック・バイオマーカーを探索し、さらにその活用法を提案すること、および臨床研究マインドをもつ薬剤師の育成に向けた教育プログラムを創出することにある。
平成26年度は、前年度に引き続き被験者の臨床情報の収集に注力するとともに、AZAの薬物動態関連分子の遺伝子解析および薬物血中濃度解析を行い、臨床効果(副作用を含む)との関連性について探索的に検討した。その結果、炎症性腸疾患治療におけるAZAの効果あるいは副作用発現のバイオマーカーとなりうる新たな候補因子を示唆する知見を得た。そこで、臨床的意義のある因子を明確にしてその活用法を提案すべく、さらに詳細な検討に着手した。一方、薬学生の臨床研究マインドの育成を目指した教育の一部として、複数の実践的な臨床研究を活用し、学生の視点でリサーチクエスチョンから新たな研究計画を立案するなど一連の臨床研究プロセス学修に向けた基盤教育プログラムのプロトタイプを創出できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在までに、アザチオプリンの薬物動態関連分子の解析を行い、臨床経過の個人差と相関性しうる候補因子を見出したが、これに関する詳細検討の必要性が生じた。また、平成26年度途中からのエントリー症例が観察期間中であるため、全症例の臨床データを用いた解析にまでは至らなかった。

今後の研究の推進方策

平成26年度に継続して臨床成績を収集するとともに、詳細検討が必要となったターゲット遺伝子の網羅的解析を行い、その結果に基づきハプロタイプ等を特定する。さらに全分析データと臨床データとの統合解析を行い、個別化適正治療法のプロトタイプを創出する。
研究協力者:稲岡涼、田尻仁、他

次年度使用額が生じた理由

これまでの研究結果から、ある候補遺伝子につき詳細検討の必要性が生じたこと、及び平成26年度途中からのエントリー症例が観察期間中であることから、計画を変更し、その遺伝子の網羅的解析を行いハプロタイプおよびTag-SNPを特定し、全臨床データとの統合解析を行うこととしたため、未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

このため、あるターゲット遺伝子の網羅的解析および全分析データと臨床データとの統合により得られる確実な結果に基づいた個別化投与法のプロトタイプ創出、および国際学会での発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。

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公開日: 2016-05-27  

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