Acinetobacter属菌はその菌種間において生化学的性状が酷似していることから、一般検査室レベルでは菌種レベルにおける正確な同定が困難であることが知られている。一方で菌種ごとにその病原性が異なっている可能性が指摘されている。本菌種が敗血症などの重症感染症の原因菌となった場合、適切な治療を行うためには正確な菌種同定を行う事が重要になるが、一方で初期の段階ではその疫学的情報が重要になる。本研究では従来、分離頻度が高いと報告されていたA. baumanniiよりも、血液培養においては、A. soliが高頻度に分離されることを明らかにした。
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