研究課題/領域番号 |
24590676
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
矢野 寿一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20374944)
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研究分担者 |
國島 広之 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (60339843)
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キーワード | 市中感染型MRSA |
研究概要 |
市中感染型MRSA(community-acquired MRSA; CA-MRSA)の定義は、米国Centers for Disease Control and Prevention (CDC)の定めた臨床的定義しかないため、細菌学的特徴と乖離することが多く、疫学調査や、臨床の現場においてCA-MRSAの判定に混乱を来している。そこで、厳密にCA-MRSAの臨床的定義を満たす株について、耐性遺伝子解析、分子疫学的解析、病態解析を行い、CA-MRSAの細菌学的特徴を明らかにするとともに、臨床的定義の問題点、新たなCA-MRSAの定義あるいは判定基準について提言することを目的とし、CA-MRSAの収集を行った。 東北大学病院および関連病院にて、約48,000人の患者の入院時において詳細な問診をとり、入院歴、医療関連施設への入所歴、透析歴、手術歴、MRSAの感染歴・保菌歴がないこと等を詳しく調査、確認した。また、同時に鼻腔細菌培養スクリーニングを実施し、鼻腔スワブをMRSA選択培地に塗布し、MRSAの検出を試みた。 その結果、約1,000名の患者からMRSAが検出され、さらにこのうち103名の患者がCDCの定めるCA-MRSAの臨床的定義に該当した。この103株のCA-MRSAをピックアップし、DNA抽出、菌株保存を行った。 また、得られたMRSA株について、nuc geneの確認を行い、黄色ブドウ球菌であることを確認し、微量液体希釈法による薬剤感受性、mecA遺伝子の有無、SCCmec型別、PVL, ACMEの有無について確認を行った。 現在、CA-MRSAについて、MLSTおよびPFGE法を用いた疫学解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在行っているMLST及びPFGE解析が終了すれば、本研究で予定した解析が終了するので、おおむね順調に新手因していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終段階であるMLST解析、PFGE解析をすすめているところであり、平成26年度内には終了する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在進行中であるMLST解析およびPFGE解析について、まだ購入していない消耗品があったためである。 次年度に購入して使用する予定である。
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