2012年10月から2013年9月までに分離されたMRSA 231株を用いて分子疫学的解析を行った結果、CDCの定義による臨床的CA(市中感染型)-MRSAは28株 (12.1%)、SCCmec型別による細菌学的CA-MRSAは78株 (33.8%)と乖離が見られた。また231株のMRSAは88種類のクローナル・グループに分別され、細菌学的CA-MRSAで最も多く検出されたクローンはMLST解析によりこれまで本邦で報告のされたことのないST5-SCCmecⅣのMRSAクローンであった。本邦で分離されるMRSAの細菌学的特徴や、分子疫学的解析による遺伝子学的な集団構成が判明した。
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