研究課題/領域番号 |
24590682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
仁井見 英樹 富山大学, 大学病院, 助教 (50401865)
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研究分担者 |
北島 勲 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (50214797)
野手 良剛 富山大学, 大学病院, 臨床検査技師長 (60377364)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 遺伝子検査 / 敗血症 / 微生物 / 感染症 / 遺伝子 |
研究概要 |
平成24年度は、システムの適用範囲の拡大(血液、羊水、脳脊髄液、眼房水)、全プロトコールの再評価(迅速性・感度・特異度)と固定、同定の正確性の評価、および従来法との比較、そして、データベース中の登録菌数を増やすことを行った。 1.システムの適用範囲の拡大:感染症の患者検体を血液(敗血症)、羊水(胎児子宮内感染症)、脳脊髄液(髄膜炎)、眼房水(眼科感染症)とし、それぞれ迅速同定実施の体制を整えた。プロトコールの相違は前処理のみであるため、前処理において、最も迅速・効率的で感度の高い方法を選択した。また、検体毎(臨床科毎)の連絡シートを作成し、申し込みから結果報告までを専用FAXで迅速に送受信するようにした。 2.全プロトコールの再評価と固定:検体到着から結果報告までの全てのプロトコールを迅速性・感度・特異度の観点から再評価した。そして、問題点や改善の余地があれば全て洗い出し、プロトコールの改善&再評価を繰り返し、最終的に全プロトコールを最適化して固定した。 3.同定の正確性の評価、および従来法との比較:実際に患者検体を多数用い、同定結果について従来法(マイクロスキャンWalkAway: SIEMENS)の結果と共に、Sequencing結果を用いて比較検討した。その結果、本研究法による正確性の評価、および従来法との一致率は97%であった。検体は血液、羊水、脳脊髄液、眼房水で、菌陽性検体を42検体、実施した。 4.データベース中の登録菌種を増やす:データベースに存在しない菌やmutant strainsが検出された場合には、得られた菌DNAよりTm値を測定し、新たにデータベースに加えてった。現在、データベース中には130菌種(+mutant strains)が登録されているが、今後、200菌種以上を目標に増やす計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
菌陽性検体は稀であるため、検体を集積することは難しく、平成24年度の菌陽性検体は42検体であった。この改善のため、院外の病院とも共同研究を開始して、菌陽性検体を増やす予定である。 データベース中の登録菌種は、臨床検体からの新規菌種の出現を待っていたため、登録菌数は増えなかった。従って、今後はACTT株を購入することで、データベース中の登録菌数を200菌を目標に増やす計画である。 起炎菌同定ソフトウェアは登録菌数を増やした後の、次のステップである。そのため、平成24年度は手付かずであった。今年度は真菌の同定も含め、ソフトウェアをアップデートしていく計画である。
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今後の研究の推進方策 |
1.院外の検体も含め、菌陽性検体の解析数を増やす。2.ATCC株の購入により、データベース中の登録菌数を200菌を目標に増やす。3.ソフトウェアのインターフェイスを改善する。4.システム全体を再評価する。5.先進医療へ申請する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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